第263回千代田チャリティ・コンサート

四人の演奏家による至高の芸術
ヴィルトゥオーソたちの協演に酔いしれる

朝晩が冷え込み冬の訪れを感じる季節となってまいりましたが、コンサート当日は晴れて比較的穏やか陽気となりました。今回は毎年恒例となっております「国際音楽祭ヤングプラハ」にご出演の演奏家の皆様をお招きしてのコンサートとなります。当日は過去最高といっていいほどの沢山のお客様にお越し頂きました。

三人のチェリスト、Yan Levionnois(ヤン レヴィオノワ)さん、Nathan Son Matsubara(松原 孫 ナタン)さん、そしてVilém Vlček(ヴィレーム ヴルチェク)さんに加えて、ピアノの真下航(ましも わたる)さんのご出演です。チェロの三重奏というの大変珍しく、めったにない編成にお客様の期待も開始前から高まっています。

今回のコンサートではお客様が大勢お越しいただいたこともあり、何より特筆すべきことは演奏家の皆様と観客席との間近な距離です。一流のアーティストの演奏をこれだけの至近距離で聴けることはまずあり得ないことではないでしょうか。

演奏をCDで聴くのでもない、大きなコンサートホールで聴くのでもない、本当に目の前で繰り広げられる演奏。この間近さでないと伝わってこない「何か」があります。その「何か」は、演奏家の息吹、演奏に込めた想い、楽曲それ自体がもつ力といったものなのかもしれません。それらが肉薄してきたような感動を覚えました。

演奏家の息づかい、表情、弦の動き、指の動き、弦をこする、叩く、今目の前で音が生まれている、音楽が生まれている、これほどまでにチェロという楽器を体で感じたのは初めてでした。そして、そんな創造の空間に居られる幸せ。チェロとピアノと音楽の醍醐味を十分すぎるほど堪能できました。

さらに、言わせていただければ、聴いているというより「音楽に包まれた」感覚になることができました。演奏家と楽器と音楽が創り出すひとつのゾーンの中にいたようでした。

弊社会長 兼 社長細田敏和が「きょうの素晴らしいコンサートの余韻をそのままもって帰りたいと思っていますので、きょうはあまり話しをしません」と申しておりましたが、その気持ちはとてもよくわかります。
とても美しいものに触れると、その感動で人は動けなくなったりするものです。今回の演奏にもそのような美しさを感じました。美しい音の粒が、会場の皆様全員に降り注いでいたような気さえいたします。
今回のコンサートは癒し以上のコンサートになったのではないでしょうか。

四名のヴィルトゥオーソの皆様、ありがとうございました。

 フォトレポート

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第一部

Josef Mysliveček
J.ミスリヴェチェク(1737-1781)

Trio for three cellos in A major
三重奏曲 イ長調
Andante - Allegro - Presto

若きヴィルトゥオーソ(達人)のご登場です。三名ともチェリストで、左からYan Levionnois(ヤン レヴィオノワ)さん、Nathan Son Matsubara(松原 孫 ナタン)さん、そしてVilém Vlček(ヴィレーム ヴルチェク)さんです。ご登場に会場が沸き立っています。

お客様がたくさんおられるため、とても間近での演奏となりました。一流アーティストの演奏をこれほど間近で聴けるのはめったにないことですね。

Jean-Baptiste Barriére
J-B バリエール(1705-1747)

Sonata for two cellos No.4 in G major
2本のチェロのためのソナタ 第4番 ト長調
Andante - Adagio - Allegro prestissimo

松原 孫 ナタンさんのMCです。「今日こうしてコンサートにお越し頂きましてありがとうございます。土曜日の大洗のコンサートから今日のコンサートまで、千代田テクノルの会長様やいろいろな方々に、このような貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございます」。素敵なご挨拶をありがとうございました。

松原 孫 ナタンさんとヴィレーム ヴルチェクさんお二人による演奏です。

Gabriel Fauré
G.フォーレ(1845-1924)

Elegie
エレジー

Sicillienne
シチリアーノ

一部最後となる演奏です。
今度は、チェロのヤン レヴィオノワさんとピアノの真下航(ましも わたる)さんのご登場です。

G.フォーレのElegie(エレジー)とSicillienne(シチリアーノ)が2曲続きます。お客様もお二人の演奏にうっとりして聴き入っていました。


第二部

Fredelyk Chopin
F.ショパン(1810-1849)

Ballade No.4 in F minor op.52
バラード 第4番 へ短調 作品52

二部のオープニングは、真下 航さんのソロ演奏からスタートです。

真下さんの弾くピアノの音は、まるで美しい音の粒のようで全身に降り注いでくるようでした。演奏後、お客様から割れんばかりの拍手が起こりました。

Giovanni Sollima
G.ソッリマ(1962- )

Terra Aria
テッラ アリア

Terra Danza
テッラ ダンツァ

現代の作曲家兼チェリストでもあるG.ソッリマの曲を演奏します。

三本のチェロが生み出す音、それはまさに調和、ハーモニー。ただ三本のチェロが音を出しているのではない、補完し合い、助け合い、融合してひとつの音楽になっている   ー   ヤン レヴィオノワさん、松原 孫 ナタンさん、そしてヴィレーム ヴルチェクさんのチェロが創り出す音を聴いてそんな印象を受けました。

とても迫力のある素晴らしい演奏に圧倒されました。

David Popper
D. ポッパー(1843-1913)

Polonaise de Concert
演奏会用ポロネーズ

早くも本日最後の曲となりました。

めったに聴くことのできない三本のチェロ、三人のチェリストによる三重奏。こんなに間近で若きヴィルトゥオーソの演奏を聴けたお客様は幸運でした。大絶賛の拍手です。

弊社からの花束贈呈後、皆様の熱いアンコールのリクエストに応えます。
曲目はDavid Popperの「Requiem」です。ピアノの真下さんも加わり、全員での演奏となりました。息をのむほど美しい曲で、お客様も演奏が終わっても、ずっと余韻に浸っておられるようでした。


まさにヴィルトゥオーソ(達人)たちの素晴らしい演奏でした。チェロのヤン レヴィオノワさん、松原 孫 ナタンさん、ヴィレーム ヴルチェクさん、そしてピアノの真下 航さん、ありがとうございました。

弊社会長 兼 社長 細田敏和より閉演のご挨拶。「きょうの素晴らしいコンサートの余韻をそのままもって帰りたいと思っていますので、きょうはあまり話しをしません(笑)」。インフルエンザも流行ってきております。どうかくれぐれもご自愛ください。ありがとうございました。