第260回千代田チャリティ・コンサート

ロマの魂(ソウル)に呼応する
感性を揺さぶるリズム&メロディ

コンサート当日、東京地方では昼過ぎから晴れ間が広がり、21日ぶりに日照時間が3時間を超えました。気温も30℃近くとなり、蒸し暑い一日となりました。6月26日から前日16日までの日照時間の合計はわずか9.1時間で、平年の12%しかなかったそうです。天候不順で体調不良を訴える人も多い中、大勢のお客様に足を運んでいただきました。

今回は、「MASH弦楽団」の皆さんをお招きして、ジプシージャズやクラシックを楽しんでいただきました。1940年代にアメリカからフランスにジャズが伝わりましたが、ジプシージャズはヴァイオリンなどクラッシック系の音楽と混じり合い、そしてジプシー(ロマ)の人たちが演奏することによって生まれたフランス発祥のジャズです。MASH弦楽団の皆さんは、このジプシージャズを広めようと活動を展開しています。

ヴァイオリンとMC担当のruriさん、マカフェリ・ギターとバンジョー担当の加々美 アレンさん、そしてコントラバスの杉山 祐一さんによる編成です。(※マカフェリ・ギターについては、初めて聞いたというお客様も多いかと思いますが、通常のギターより太めでヴァイオリンやコントラバスに負けない大きな音が出せる、ジプシージャズ専用のギターです)。

MASH弦楽団の皆さんは、今年の5月のゴールデンウィークのときに、自分たちの演奏レベルがどう評価されるか知るためにフランスに行かれたそうです。パリやリヨンなどで4回ほどライブを行いました。そして、パリでピカソやゴッホなどがお酒を飲んでいたという歴史あるLapin Agile(ラパン・アジル)というお店で、「愛の賛歌」を演奏したのですが、そのときはスタンディング・オベーションが起きたそうです。ジプシージャズの本場で大変な好評を博したその実力は、今回の弊社のコンサートでも余すところなく発揮されていました。

興味深かったのは、ヴァイオリンのruriさんとコントラバスの杉山さんはともにクラシックを勉強してきたのですが、ジャズは自由すぎて基礎が乱れてしまうので、たまには基礎に還るという意味でクラシックを演奏しないとヘタになってしまうと仰っていたことでした。音楽には多様性がありますが、基礎部分でクラシックの果たす役割は大変大きいのだということがあらためて認識できました。

弊社代表取締役会長兼社長の細田敏和は、ハードな海外出張で大分疲れていたようですが、「演奏を聴いて大分元気になりました。迫力のある演奏でパワーをいただきました」と申しておりました。ジプシージャズという新鮮さ、クラシックに裏打ちされた皆さんの高い演奏力、そしてruriさんの明るく、ぐいぐいお客様を引き込んでいくMCで楽しく音楽に没頭できたあっという間の2時間でした。

MASH弦楽団の皆さん、どうもありがとうございました。

8月のコンサートはお休みをいただきます。猛暑が続いておりますが、皆様どうか健康に留意され、また元気に9月のコンサートでお目にかかりましょう。

 フォトレポート

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MASH弦楽団の皆さんのご登場です。オープニングは、フランスのジプシージャズで一番有名な曲「Minor Swing」です。

ヴァイオリンのruriさんより、ジプシージャズについて解説がありました。1940年代にアメリカからフランスにジャズが伝わりましたが、ジプシージャズはヴァイオリンなどクラッシック系の音楽と混じり合い、そしてジプシー(ロマ)の人たちが演奏することによって生まれたフランス発祥のジャズです。MASH弦楽団の皆さんは、このジプシージャズを広めようと活動を展開しています。

フランスと同じ年代でもアメリカでジャズのムーブメントが起きていました。次の曲は、バンジョーを使ったトラッド・ジャズ「Charleston」です。続いて、フランスのジプシー・ジャズで「Them there eyes」ですが、バンジョーを使うとまた違った楽しい雰囲気となります。

「ジャズの場合、初めと終わりは決まっているフレーズがありますが、それ以外は全部アドリブでそのときのノリで演奏しています。この場でしか生まれない音楽を楽しんでいただければと思います」とruriさん。
加々美 アレンさんが掲げたギターは、「マカフェリ・ギター」といってジプシージャズ専用のものとなります。ボディーが大きいため、ヴァイオリンやコントラバスに負けないくらい大きな音が出ます。

このマカフェリ・ギターを使って、「Swing 48」の演奏です。1948年に生まれた曲です。

メンバー紹介です。コントラバスの杉山 祐一さん(中央)、マカフェリ・ギターとバンジョーの加々美 アレンさん(右)、そしてヴァイオリンとMC担当のruriさん。

MASH弦楽団の3枚目のアルバム「Kinocolosseum」がリリースされました。その中から2曲続けての演奏となります。フランスに実在する町の名前からとった「Ménilmontant」、そして「For sephora」。さきほどまでは四拍子のスウィングのリズムでの演奏でしたが、こちらの2曲はジプシー・ボッサというボサノバのリズムでの演奏です。

MASH弦楽団の皆さんは、5月に自分たちのジプシー・ジャズ演奏のレベルを知るために、フランスに行かれたそうです。滞在した10日間のうち、パリやリヨンなどで4回ほどライブを行いました。そして、パリでピカソやゴッホなどがお酒を飲んでいたという歴史あるLapin Agileというお店で、「愛の賛歌」を演奏したのですが、そのときはスタンディング・オベーションが起きたそうです。

そして、曲はもちろん「愛の賛歌」です。演奏後、お客様より割れんばかりの大きな拍手と声援が送られました。とてもハートフルで素敵な演奏でした。

一部最後の曲となりました。ジプシージャズの曲は皆様にはなじみのないものが多いので、一部最後は葉加瀬太郎さん作曲の「情熱大陸」を弦楽器バージョンでお届けします。

二部最初の曲は皆様おなじみのクラシック「Csárdás(チャルダッシュ)」です。この曲はジプシーの要素が多く、現在のものに近い楽曲です。ruriさんと杉山さんはクラシックを勉強されていましたので、今回のセットリストの中に加えたということです。

続いては、MASH弦楽団の3枚目のアルバム『Kinocolosseum』にも入っています「La campanella(ラ・カンパネラ)」です。今回はヴァイオリンとバンジョーによる演奏バージョンでお届けします。

ruriさんによれば、「ジャズばかり演奏していると自由になりすぎて基礎が乱れてしまうので、たまにはクラシックを演奏して基礎に還らないとヘタになっちゃう。そしてクラシックを演奏するとわたしたちもビシッと引き締まります」ということでした。やはり、クラシックは音楽の基本なんですね。

ジプシー・ジャズの曲「Latcho Drom(ラッチョ・ドローム)」。映画にもなった曲で、邦題は「また逢いましょう」とつけられています。コンサートのエンディングなどで演奏すると締まる曲ですが、今回は二部の3曲目で演奏します。

テンポの速い曲が続きましたので、まったりした2曲を続けて演奏します。曲は「Made in France」、そして「There will never be another you」。この2曲はギターリストでもあるビレリ・ラグレーンが作曲したもので現代風な3拍子となっています。

日本語にすると、ビキニを着た女の人という意味の「La bikina」を演奏します。これも3拍子の曲となります。さわやかで海を想い描くような、夏にぴったりの曲です。

ロシアの民謡で黒い瞳、「Dark eyes」という曲を演奏します。これはジプシージャズではよく演奏されるもので、皆様はどこかで聞いたりなぜか懐かしい感じがするかもしれません。

本日最後の曲は「Tiger Rag」。ジャズのスタンダードナンバーでとても楽しい曲でした。

大きな拍手にお応えしてのアンコール曲は、アメリカのジャズピアニストで作曲家でもあるチック・コリアがスペインへ想いをはせて作曲したその名も「Spain」です。情熱的なスペインが表現されたようなとても迫力ある演奏でした。素晴らしく、またとても楽しいコンサートでした。ありがとうございました。

弊社代表取締役会長兼社長 細田敏和より皆様へ閉演のご挨拶。(ハードな海外出張で大分お疲れだったようですが・・・)「演奏を聴いて大分元気になりました。迫力のある演奏でパワーをいただきました。8月は当コンサートはお休みをいただきます。どうか健康にご留意されて、また9月に元気にお目にかかりたいと思います」。猛暑が続いております。充分休養をとってご自愛ください。では9月に!