第210回千代田チャリティ・コンサート

初春を祝う弦楽合奏アラカルト
四本の楽器が織りなす名曲たち

平成27年最初のコンサートを迎えました。大寒を過ぎてから寒さが本格的になると言われておりますが、前日に大寒を迎えた当日、都内でも小雪がみぞれ混じりの雨が降るなど寒さもひとしおでした。そんな寒さを吹き飛ばすかのように、熱心な大勢のお客様にお越しいただきました。


今宵は「街角四重奏」の皆さんをお迎えし、モーツァルト、ハイドン、メンデルスゾーンからピアソラ、映画音楽までヴァラエティに富んだ音楽を弦楽四重奏でお楽しみいただきました。加藤美菜子さん(ヴァイオリン/ヴィオラ)、水野由佳さん(ヴァイオリン)、迫田圭さん(ヴァイオリン/ヴィオラ)、染谷春菜さん(チェロ)の構成です。「同じ楽器であっても、奏者が変わると音色も変わることもお楽しみ下さい」とのことで、曲によって何回かヴァイオリンとヴィオラの奏者の入れ替えが、加藤さんと迫田さんと間で行われたのも、当コンサートでは珍しく新鮮でした。


また、MCを務めたくださった加藤さんの解説がとても丁寧でわかりやすかったので、演奏で楽しみ、また知識も増やせて両面で楽しませていただきました。


ハイドンの活躍した18世紀、弦楽四重奏は貴族の前で演奏されることが多かったそうです。弊社会長細田が、皆様に「貴族になった気持で楽しまれたでしょうか?」と聞いたのも、そんな背景があってのことでした。
会場の皆様も貴族にでもなった気持で、今宵の弦楽四重奏をご堪能いただけたことかと思います。


これからさらに寒さも厳しくなってまいります。皆様にはお体にご留意いただき、次回2月のコンサートでは元気にお目にかかりましょう。

 フォトレポート

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第210回コンサートのテーマは、「初春を祝う弦楽合奏アラカルト。四本の楽器が織りなす名曲たち」。

本年最初のコンサート。「本年も余すところあと344日です」という恒例の司会者のあいさつでスタート!

オープニングは、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」より第1楽章の演奏です。左から加藤美菜子さん(ヴァイオリン/ヴィオラ)、水野由佳さん(ヴァイオリン)、迫田圭さん(ヴァイオリン/ヴィオラ)、染谷春菜さん(チェロ)。

このメンバーのグループ名は「街角四重奏」とのこと。「1曲目は弦楽四重奏としては最も有名な曲を、新年の喜びを表したいと思って演奏しました(加藤さん)」

加藤さんが大好きな映画「オズの魔法使い」から「虹の彼方に(Over the Rainbow)」。制作の段階からもめにもめてやっと世に出た曲、そして20世紀を通算した全米ヒットチャートで1位に輝いた曲だそうです。

弦には馬の尻尾の毛が160本程度使われていて、今はモンゴルのほうで多く取れ、このために育てられている馬がいます。また、毛の色の濃いものは張りが強くコントラバスやチェロなどの楽器に使われます。白いものは漂白しているそうです。

曲は「プリンクプランクプルンク(アンダーソン)」。ドタン、バタンなど擬音を表す言葉がタイトルとなっています。何と全員が弓を使わないで演奏。回転する音を出すために、チェロを回す染谷さんですが、あいにく乾燥しているためうまく音がでなかったとか。

次は皆様よくご存知の映画「ニュー・シネマパラダイス」より同タイトルのメインテーマ(エンリオ・モリコーネ作)です。

加藤さんよりハイドンについて解説。弦楽四重奏の父と呼ばれるハイドンの作品の総数は1,000曲くらいあり、現存している曲は700曲ほど。昔は貴族や宮廷の中で演奏されるものでした。次に演奏する「ラルゴ」も伯爵のために書かれたものです。

1部最後の曲となった「ラルゴ(ハイドン)」の全楽章を演奏しきった皆さん。演奏後、会場から盛大な拍手が寄せられました。

二部開始です。加藤さんによるヴィオラの解説。とにかくヴァイオリンに比べて重く、楽器屋さんでヴィオラのパーツをできるだけ軽い材質に替えたそうです。ヴァイオリンの場合は標準サイズがありますが、ヴィオラの場合はボディーの長さも、それぞれ異なるそうです。

二部1曲目は、メンデルスゾーンの「弦楽四重奏曲 第2番 Op.13」より第3, 4楽章。この曲はメンデルスゾーンが18歳のときに書いたもので、情熱を強く感じる曲とのこと。

ピアソラついて説明する加藤さん。ピアソラはジャズとクラシックを融合させた音楽をたくさん作り、彼の曲は踊れないタンゴと評されました。しかし、彼が晩年に作った演奏チームに参加することは、アルゼンチンサッカーのナショナルチームに参加するのと同じくらい名誉なことだと言われるほどでした。

ピアソラの曲を2曲続けて。「リベルタンゴ」そして「ジャンヌとポール」。

次もピアソラの曲。まさに踊れないタンゴと評された曲で、リズムとダイナミックさに溢れた「天使の死」。「街の酒場で男女が出会って、様々な人間模様が繰り広げられるーそんな風景を思い浮かべながら演奏します(加藤さん)」

同じ楽器であっても奏者が変わると、奏者の肉体そのものが楽器と一体となって音色を奏でるため、それぞれ個性がでるそうです。加藤さんと迫田さんが時折入れ替わって演奏していますが、同じ楽器でも音色が変わりますのでそんな点もお楽しみいただければと加藤さん。


映画「シェルブールの雨傘」より同名のタイトル曲。どなたもご存知の有名な曲でもあり、甘いメロディーに皆さんうっとりと聞き惚れていたようです。

最後の曲となりました。ピアソラの「オブリビオン」で邦訳は「忘却」。この曲はイタリア映画「ヘンリー四世」のために書かれたもので、昔を思い出すような感じの曲です。

アンコールは2曲も!文字通りオリエンタルな感じの「オリエンタル(グラズノフ)」そして有名なシャンソン「愛の賛歌」。弊社からの花束贈呈の後、大きな拍手を送られる皆さん。弦楽四重奏を堪能させて頂きました。ありがとうございました。

弊社会長細田 敏和より皆様へご挨拶。「皆さん、貴族になった気持で楽しまれたことと思います。とてもゆったりと聞けて、特に最後の「愛の賛歌」が心に染みました」。寒い時期が続きますが、皆様お体には充分注意していただき、また2月にお目にかかりましょう!