第232回千代田チャリティ・コンサート

熱狂と静寂の狭間で
翳りを秘めた音色の魔力に引き込まれる

寒さが一段と厳しくなり、真冬らしい一日となったコンサート当日でしたが、いつものように多くのお客様がお越しくださいました。今回は、本年最初のニューイヤー・コンサートとなります。

今夜はフラメンコ・ギターの第一人者日野道生さんをお迎えいたしました。一部はスペイン、アンダルシア地方の民族音楽を中心に、二部は日野さんのオリジナル曲や皆さんおなじみの曲の演奏となりました。
日野さんは実に饒舌にフラメンコ・ギターのことや曲の解説をしてくださいます。ご自身が打ち込んでこられたフラメンコ・ギターや音楽のことを、演奏だけでなく言葉でも多くの人にわかりやすく伝えたいという気持ちの表れかと思います。また、そこにジョークを加えて、温かいお人柄のオブラートにくるんでお話されるので、会場のお客様も随分リラックスして楽しまれたのではないかと思います。

皆様おなじみの「アルハンブラの想い出」、「コーヒールンバ」、「アランフェス協奏曲」、「エーデルワイス」などの演奏も素晴らしかったのですが、日野さんのオリジナルの「青い風」が本当に風をイメージさせる爽やかな曲で印象的でした。また、フラメンコには欠かせない手拍子をお客様にコーチしていただき、お客様も演奏に参加する形でより一層今回のコンサートを楽しめたのではないでしょうか。

弊社会長細田も「久しぶりに手拍子をして、音楽を楽しむことができました」と申しておりましたが、やはりコンサートは何らかの形で聴く側も参加することに醍醐味があるのだと実感しました。
日野道生さん、ニューイヤー・コンサートにふさわしい素敵なコンサートをありがとうございました。

 フォトレポート

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第232回のテーマは、「熱狂と静寂の狭間で。翳りを秘めた音色の魔力に引き込まれる」。

本日はニューイヤー・コンサートとなります。司会者の「今年も残すところ、あと347日となりました」という恒例の年頭挨拶も皆様おなじみです。本年もコンサートのご支援、よろしくお願い申し上げます。

フラメンコ・ギターの日野道生さんのご登場です。一部はスペイン、アンダルシア地方の民俗音楽、二部は日野さんのオリジナルや皆さんご存知の曲を交えての演奏となります。

1曲めは「セビリアの春祭り」です。セビリアで毎年4月に行われる春祭りで、1週間踊り明かすのだそうです。その様子を表した曲です。

スペインで地中海に面したカディスという街があります。そのカディスの浜辺にお金が埋まっているという噂があり、みんなで掘ったが出ませんでした。ただ一人、強欲なおばあさんがいて一週間掘り続けたがそのまま死んで掘ったところがそのまま墓場になってしまったという内容の歌です。2曲目は、ダジャレのタンゴとして知られる「カディスのタンゴ」。

スペイン語では巻き舌の発音が多く、LとRの発音ができないと意味が通らなくなってしまうそうです。日野さんが流暢に発音をご披露してくださって、日本人からすると同じにしか聞こえない言葉の違いを説明。スペインに造詣の深い日野さんのMCに、皆さん感心していました。

日野さんの丁寧なMCが続きます。昔はギターの弦に、羊の腸が使われていたそうです。日野さんも試されたことがあり、すぐに切れてしまって耐久性はありませんが、音はいいとのこと。ギターの感触を実感していただくために、お客様にもギターを持っていただきました。

次は、闘牛士に捧げるメランコリックな曲でタイトルは「闘牛士に捧ぐ」。激しさの中に物悲しさのある心に響く曲です。

一部最後の曲は、日野さんのオリジナルで「ジプシーの祭り」。穏やかなMCの語り口とは打って変わった熱のこもった演奏で、お客様を魅了します。

第二部の開始です。子供には見えないものが見えることがあると言います。日野さんは子供の頃に、偶然風が見えたそうです。そのことを曲にしたオリジナル曲で「青い風」です。確かに風を感じさせるような爽やかで素敵な曲です。壁の上部には日野さんが撮りためた写真がスライドで映し出されています。

次は、フランシスコ・タルレガ作曲の「アルハンブラの想い出」。この曲はタルレガがグラナダにあるアルハンブラ宮殿を訪れたとき、庭園の水の音をイメージして作曲しました。日野さんがトレモロ奏法で演奏します。

「ラ・パロマ」、この曲はセバスチャン・イラディエ-ルの作曲で、キューバの民俗芸能ハバネラ形式の曲です。ちなみに、「パロマ」とは「鳩」を意味しています。毎回、にこやかに解説をされる日野さん。

皆様おなじみの曲で「コーヒールンバ」、原曲名は「モリエンド・カフェ(コーヒー豆を挽きながら)」。日本では、西田佐知子さんが歌って彼女の曲だと思われている方が多いのですが、元々は南米の曲です。日野さんが情熱的な曲に仕立てます。

ビールのCMでもおなじみの「ボラーレ」。ジプシー・キングスのヒット曲として有名ですが、元々はイタリアのドメニコ・モドゥーニョが歌ってヒットした曲だそうです。演奏後、盛大な拍手を受ける日野さん。

お客様のノリに呼応して、ノリの良い「サンバ・ブラジル」の演奏です。

「題名は申し上げません。お聞きになればすぐにわかると思います」ということで、曲はどなたもご存知のスイスの「エーデルワイス」です。意外な選曲で新鮮でした。お客様からも自然に歌声が響き始め、場内が盛り上がります。

日野さんがフラメンコ風にアレンジしましたスペインの名曲「アランフェス協奏曲」。これもおなじみの有名な曲です。

最後の曲は、とっておきの曲ということでアラビア風の「アラベ」をお送りします。

弊社より花束贈呈後、アンコールは「コーヒールンバ」です。日野さんが皆さんに手拍子の指導をして、会場全体が日野さんと演奏と手拍子とで一体となりました。

弊社会長細田敏和より閉演のご挨拶。「久しぶりに手拍子をしましたが、あまりリズム感がありません。楽しい新年のコンサートになりました」。現在、皆様からいただきましたご厚志を恵まれない子供さんたちのために有効に使わせていただきたく計画中です。後日、ご報告させていただきます。いつもご協力をありがとうございます。