第258回千代田チャリティ・コンサート

悠久の芸術に酔う
洗練された装飾美を追い求めて

当日は雨の予報もありましたが、おおむね晴れて気温も暑くもなく寒くもなく、ちょうどよい過ごしやすい一日となりました。令和に入って初の記念すべきコンサート、定員を上回るほどの大勢のお客様にお越し頂きました。

令和初にふさわしく、今回は当コンサートでもおなじみのヴァイオリンのロマン・フラニチカさん、オータムフェスタでコンサートのコーディネイトをしていただいておりますフルートのフィンダ志保子さん、そしてオーボエの徳田 振作さん、チェロの三河 慶史郎さん、チェンバロの上薗 未佳さんをお招きしてバロック音楽をお楽しみいただきました。チェンバロはフィンダ志保子さんが今回のために、製作家さんを探すところから初めてご手配をしていただき、なんと当日は滋賀県から製作家さんがチェンバロを運んでくださいました。ありがとうございました。

MCは、皆さんがお一人ずつ担当され、わかりやすく丁寧に、歴史も交えて解説して下さったので大変勉強になりました。特に当コンサート初となったチェンバロについて、上薗 未佳さんより、基本的なことからお聞きすることができました。チェンバロはピアノの前身ではないこと、ピアノは打楽器、チェンバロは弦楽器(厳密には撥弦楽器)、オルガンは管楽器という説明に皆さん驚いたようでした。

テレマン、バッハ、クープランというバロックの巨匠たちの音楽を、あたかも当時の貴族になったつもりで優雅な宮廷を想像しながら存分に堪能することができました。この曲にはどんな食事が合うかなど想像して聴かれた皆様もいらっしゃったのではないでしょうか。

弊社会長細田が『連休中の仕事で疲れ気味だったのですが、すっかり元気を貰うことができました。またバロック音楽を聴いてみたいと思います』と申しておりましたが、皆様も宮廷にいるような貴族の気分でまったりとお寛ぎいただけたのではないでしょうか。

令和の時代に入ってからも、恵まれないお子さん達の力となれるよう、素敵なコンサートを続けてまいります。どうか皆様、変わらぬご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

バロック音楽で癒やされたラクジュアリーな2時間、演奏者の皆様ありがとうございました。

 フォトレポート

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G,Ph.テレマン 四重奏曲 ト長調 (TWV 43-G6)

G.Ph.Telemann(1681-1767) Quartet in G major(TWV 43-G6)

Allegro - Grave - Allegro

1曲目についてのMCは、オーボエの徳田振作さんが務めます。1曲目の作曲者であるテレマンは膨大な曲を作った人で、バッハとヘンデルの曲を足してもそれを以上の曲数を書いたと言われています。演奏後、お客様より大きな拍手が起こりました。

J.S.バッハ オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 BWV 1060 より 第2楽章

J.S.Bach(1685-1750)  Concerto for oboe and violin in C minor BWV 1060

Adagio

バッハは若い頃に作った様々な協奏曲を、後にすべて「2台のチェンバロのための協奏曲」といった形に作り直しています。現代風にいえば、いわゆるセルフ・カバーということになります。この曲は、オーボエとヴァイオリンのための協奏曲として復元されたものです。ハ短調による演奏となります。



J.S. バッハ ヴァイオリンソナタ ロ短調 BWV 1014

J.S.Bach(1685-1750) Violin Sonata No.1 in B minor BWV 1014

Adagio - Allegro - Andante - Allegro

一部最後の曲となりました。MCはヤングプラハのコンサートでもおなじみのロマン・フラニチカさんです。ロマンさんは日本語も話せます。ヴァイオリンとチェンバロによる演奏(全4楽章)です。







演奏後、ロマン・フラニチカさんと上薗未佳さんに盛大な拍手が湧き起こりました。当コンサート初のチェンバロとヴァイオリンによるバロックを堪能できました。

F.クープラン 心地よい恋やつれ/神秘なバリケード/田園詩

François Couperin(1668-1733) Les Langueurs Tendres/Les Baricades Mystérieuses /Les Bergeries

二部スタート。はじめに、上薗さんよりチェンバロについて解説がありました。きょう初めて弾かせて頂くチェンバロは、フィンダ志保子さんが今回のコンサートのために日本で製作家さんを探して下さったもので、製作家さんが何ときょう滋賀県から持ってきてくださいました。皆さんはよくチェンバロはピアノの前身と思われていますが、そうではありません。ピアノは弦をハンマーで叩く打楽器といえます。オルガンはパイプに風を送って音を出しますので管楽器、チェンバロは弦を弾いて音をだしますので弦楽器(厳密には「撥弦楽器」)となります。ギターやハープも同じ仲間(撥弦楽器)です。チェンバロは14世紀頃に発明され、最も古い15世紀のものがドイツに現存しています。現在のチェンバロで、弦をはじくものはプラスティックですが、当時は鳥の羽の軸を使っていました。その鳥は主にカラスだったそうです。


G,Ph.テレマン ターフェルムジーク(食卓の音楽)第1部 四重奏曲 ト長調 (TWV 43-G2)

G.Ph.Telemann(1681-1767) Tafel - Musik I.Part Quartet in G major (TWV 43-G2)

Largo-Allegro-Largo-Vivace-Moderato-Grave-Vivace

次はチェロの三河 慶史郎さんのMCです。三河さんは、いつも7時半にNHKニュースが終わって、クラシック音楽が流れるときは食卓の音楽として聴かれているそうです。次の曲の「ターフェルムジーク」とは、「食卓の音楽」という意味です。現代のようにハイテク機器がありませんので、このような音楽を、食事のときに貴族など身分の高い人が生演奏で聴いていました。皆様にはリラックスしていただいて、この曲はどんな料理にあうかなぁ?などと思いながら聴いてみてください。


スタニスラフ・フィンダさんによる特別演奏)ヴィヴァルディのピッコロ協奏曲(ハ長調)より第2楽章

フィンダ志保子さんのMCです。最後の曲に入る前に、フィンダ志保子さんのご夫君でもありますスタニスラフ・フィンダさんの演奏があります。スタニスラフ・フィンダさんは、ピッコロ奏者であると同時に製作者でもあります。本日は、ヴィヴァルディのピッコロ協奏曲(ハ長調)より第2楽章を演奏します。しっとりとした曲を楽しんでいただければと思います。


J.Ch.バッハ 5重奏曲 ニ長調 W B76 op.22 No.1

J.Ch.Bach(1735-1782) Quintet in D major W B76 op.22 No.1

Allegro - Andantino-Allegro assai

MCは徳田 振作さんです。本日最後の曲となりました。作曲者はJ.S.バッハ(ヨハン・セバスチャン・バッハ)ではなく、J.Ch.バッハ(ヨハン・クリスチャン・バッハ)、J.S.バッハの末っ子となります。彼が活躍した頃、すでにバロックの時代は過ぎています。作風は明るく、モーツァルトに多大な影響を与えたと言われています。今回の5重奏曲は3楽章から構成されています。

アンコール)J.S.バッハの「G線上のアリア」

盛大な拍手の後、アンコールです。アンコール曲は、J.S.バッハの「G線上のアリア」。また、弊社から花束贈呈があり、令和初の素敵なコンサートが終了致しました。お客様には、あたかも宮廷で音楽を聴いたような気分を存分に味わって頂けたのではないでしょうか。バロック音楽で癒やされたラクジュアリーな2時間、演奏者の皆様ありがとうございました。


弊社会長細田敏和より皆様へ閉演のご挨拶。「バロック音楽というのはいいですね!また聴いてみたいと思いました。連休中も仕事があったりして疲れ気味でしたが、本当に元気をもらうことができました。令和の時代に入ってからも、素晴らしいコンサートを続けてまいりたいと思っております。どうか皆様よろしくお願い申し上げます」。皆様も今回はまるで貴族のつもりで、宮廷にいるような気分でまったりと寛げたのではないでしょうか。新時代を迎えて、これからも皆様のご支援のほどよろしくお願い申し上げます。