第252回千代田チャリティ・コンサート
若きヴィルトゥオーソの芸術に酔う
バロックから印象派までの巨匠に触れる
昨年の11月はすでにコートを着ていたように記憶していますが、今年は気温が高めでコンサート当日も一日中穏やかな天気となりました。今回は毎年恒例になっております「国際音楽祭ヤングプラハ」にご出演された演奏家の方をお招きしてのコンサートです。いつも満員のコンサートですが、今回は「超」満員となりました。ご来場ありがとうございます。
ピアニストのミラスロフ・セケラさんとヴァイオリニストのハナ・チャンさんのお二人のご出演です。セケラさんは映画「アマデウス」で子供時代のモーツァルトを演じたことでも知られる天才ピアニスト、チャンさんも今年のヤングプラハでの演奏後には全員がスタンディングオベーションをしたという、これまた天才のヴァイオリニストです。
第一部がヴァイオリンとピアノの演奏で、R.シューマン、R.シュトラウスの曲目となりました。第一部の演奏が終わり、休憩に入るときの司会者は「もう、だめ。目頭が熱くなる。こんなコンサートは久しぶりです。本当に涙が出てきてしまいました」と感動を述べました。本当に凄い演奏というのは、場を盛り上げるとか、エキサイトするといったものではなくて、文字通り心の琴線に触れるものなのだということを体験、体感させてくれた演奏でした。司会者と同様の感想を皆様もお持ちになられたのではないでしょうか。
セケラさんとチャンさんが音楽とひとつになって演奏している、いわゆる「ゾーン」にある演奏をしています。そのためか、わたしたち聴く者も演奏を聴きながら、他のことに思いをはせるというようなことがなく、奏でられた音が心地よくどんどん自分の中に入ってくる。そんな特別な体験をさせていただけたように思います。
第二部はセケラさんのピアノ独奏で、D.スカルラッティとR.シューマンの曲目となりました。個人的にはD.スカルラッティの「6つのソナタ」を聴いているときに、耳で聞いているというより、ハートで聞いてセケラさんのピアノの音に感応している自分がいました。閉じていた心のドアが開かれ、心の奥にそっと優しく音が降り注いだとでも表現したくなるような心地よさと感動を覚えました。
また、シューマンの「子供の情景」の13曲は、さまざまな角度から人の心をほぐし、安らぎをもたらしてくれているようでした。
アンコールはワーグナーの「ロマンス」で、再びハナ・チャンさんとミラスロフ・セケラさんお二人の演奏となりました。聞けば聞くほどもっと聞きたくなる気持ちにさせるお二人の演奏でした。
弊社会長細田の言葉。『二人の天才の演奏が本当に素晴らしいものでした。ハナさんの日本での初めての演奏は、大洗にございます弊社の細田ホールとなりました。ヤングプラハに出られた方が当方のコンサートにも出られて、どんどん成長して著名な演奏家になられているので今後も大変楽しみです。また、ハナ・チャンさんの演奏はヤングプラハのコンテストでも演奏後全員がスタンディングオベーションする程の素晴らしいものだったそうです。最後に、今回のコンサートの一切をコーディネートしてくださったフィンダ志保子さんに感謝申し上げます』。
今回の天才お二人の演奏は、「音楽の底力」を再認識させる素晴らしいものでした。最大の賛辞を捧げたいと思います。ありがとうございました。
フォトレポート
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