第250回千代田チャリティ・コンサート

ジャズの魅力に酔いしれる
本物に出会う喜び

夏の酷暑がやっと過ぎ、まだ若干蒸し暑いときがあるものの、いよいよ秋の夜長に音楽を楽しめる季節がやってまいりました。2ヶ月ぶりということもあるのでしょうか、当日は大変大勢のお客様に足を運んでいただきました。

さて、今宵はアルトサックス奏者の纐纈雅代(こうけつまさよ)さんをお招きし、コンサートとしては珍しいソロ演奏を楽しんでいただきました。纐纈さんによれば、普段はオーケストラやデュオやトリオ、そしてドラムやベースを加えたカルテットでの演奏が大半で、サックスの独奏は一部のコアなジャズマニア向けに行っているのだそうです。その意味で私たちは貴重な体験をできたと言えるかと思います。曲目は、皆様になじみのあるジャズのスタンダードナンバーを中心に曲が構成されました。
曲目の中では、クラシックピアノを勉強していた纐纈さんが、高校生のときに聴いて衝撃を受け、ジャズやサックスを演奏するきっかけになったというチャーリー・パーカーの曲に対する思い入れをとても感じました。
また、アンコールで演奏された「天の岩戸」は壮大なスケール感のある曲でたいへん印象に残りました。

『ジャズにはテーマがあって、その後、楽器が複数あればそれぞれでソロとなって、最後にテーマを演奏して終わるという形です。ソロをどうやって演奏するかが、その演奏者の持ち味、つまり何が好きで、何に影響されてきたかがわかります。そういった点がジャズ演奏の面白い点です』と説明される纐纈さん。

今回は、テーマ〜ソロ〜テーマの流れをすべてお一人で演奏することになります。テーマをいったん、分解して纐纈さんの解釈で再構築する、その再構築ぶりがとても創造的でパワフルな印象を受けました。

弊社会長細田敏和が『本当に凄い迫力がありました。サックスというと薄暗い感じの場所で、お酒を飲みながらまったり聴くというイメージをこれまで持っておりましたが、逆に大変パワフルな演奏で元気をいただきました』と申しておりましたが、まさにその通りの印象を感じました。私たちが抱いていたジャズ演奏に対するイメージも「再構築」されたような気がいたします。めったに聞けないサックスのソロ演奏、存分に堪能させていただきました。

纐纈雅代さん、パワフルな演奏をありがとうございました。

 フォトレポート

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第250回のテーマは、『ジャズの魅力に酔いしれる。本物に出会う喜び』。

「2ヶ月ぶりということもあるのでしょうか、大変多くのお客様に足を運んでいただきました。やっと涼しくなってまいりました。地震や台風など自然災害が相次いでおりますが、そんなことは忘れてスタンダードジャズを楽しんで頂ければと思います。(司会者)」。

毎年恒例となりました弊社役員のご紹介。「引き続きこのコンサートが続けられるよう頑張ってまいりますので、皆様よろしくお願い申し上げます(細田会長)」。

アルトサックス奏者の纐纈雅代(こうけつまさよ)さんのご登場です。オープニングは、「ニューヨークの秋(Autumn In New York / Vernon Duke作曲)」。とても力強い演奏です。

2曲目は「もうすぐ秋の気配が漂ってきています」ということで、皆様ご存じの「枯葉(Autumn Leaves / Joseph Kosma作曲)」をお届けします。

アドリブがふんだんにあるパワフルな演奏の後は、映画音楽を続けて2曲。映画「黒いオルフェ」より「カーニバルの朝」、そして映画「オズの魔法使い」より「虹の彼方に(Over The Rainbow)」。これもまた皆様おなじみのスタンダードナンバーです。

二部開始です。「ソロ・サックスの演奏をすることはあまりありません。一部のコアなジャズマニアの方の前でソロ演奏をすることがほとんどで、普段はオーケストラやピアニストさんとのデュオやトリオ、そしてドラム、ベースを加えてのカルテットの場合が多くなっています。二部も引き続きスタンダートナンバーをお届けします(纐纈さん)」。

1曲目は「My One And Only Love(Guy Wood作曲)」を演奏します。この曲には「この世で愛するただ一人の君」と邦題がつけられています。フランク・シナトラも歌っていました。

アルトサックス奏者が一番影響を受けているのは、1940年代から1950年代に活躍したカンザス生まれでニューヨーク育ちのチャーリー・パーカーだそうで、纐纈雅代(こうけつまさよ)さんも、高校時代に聞いて、大変影響を受けたそうです。

チャーリー・パーカーの「Billie's Bounce」を演奏します。ちなみに、クリント・イーストウッドは、チャーリー・パーカーの大ファンで彼の生涯を描いた映画「バード」を製作しています。

纐纈(こうけつ)さんは、小さい頃からクラシック・ピアノをやっていて、音楽が大好きでロック、日本のポップス、ジャズ、フュージョンなど様々なジャンルの音楽を聴いていたそうです。その中でアルトサックス奏者の渡辺貞夫さんが一番影響を受けたのがチャーリー・パーカーだということで、聴いてみたら大変衝撃を受けてハマったのだそうです。

とてもリクエストの多い曲ということで、「ハーレム・ノクターン(Harlem Nocturne / Earle Hagen作曲)」を演奏します。日本では、テナーサックス奏者の松本英彦さんの演奏で有名です。続けて、今度はバラード・ナンバーから「Misty(Erroll Louis Garner作曲)」。

「ジャズにはテーマがあって、その後、楽器が複数あればそれぞれでソロとなって、最後にテーマを演奏して終わるという形です。ソロをどうやって演奏するかが、その演奏者の持ち味、つまり何が好きで、何に影響されてきたかといったことがわかります。そういった点がジャズ演奏の面白い点です(纐纈さん)」。

再び、チャリ−・パーカーの曲で「Anthlopology」の演奏です。

元来ジャズではありませんが、ジャズミュージシャンが好んで演奏する曲「Amazing Grace」を演奏します。

本日最後の曲となりました。「アルトサックス独奏というあまりなじみのないスタイルだったにもかかわらず、たくさんのお客様に最後まで聴いていただいて本当に嬉しいです(纐纈さん)」。曲は、デューク・エリントンの「A列車で行こう(Take the 'A' Train)」です。

纐纈さんが、2年前に宮崎県の高千穂に訪れたとき、インスピレーションを得て作ったオリジナルで「天の岩戸」。これがアンコール曲となりました。壮大なイメージを感じさせるようなとても力強い曲でした。

弊社社長山口和彦より花束贈呈です。纐纈さん、素敵な演奏をありがとうございました。

弊社会長細田敏和より閉演のご挨拶。「本当に凄い迫力がありました。サックスというと薄暗い感じの場所で、お酒を飲みながらまったり聴くというイメージをこれまで持っておりましたが、逆に大変パワフルな演奏で元気をいただきました。ソロ演奏というのもめったにありませんので、皆様にも楽しんでいただけたかと思います」。