第244回千代田チャリティ・コンサート

今宵、あの時代へタイムトリップ
我が青春の夢を再び

立春は過ぎましたが、深夜になって雪も予想される真冬の寒さ並の当日でした。今宵は青春時代にタイムトリップできるコンサートのせいか、寒さに負けず熱心なお客様に大勢お越しいただきました。

さて、今宵のコンサートにはフォークソングデュオの兵賀俊樹さん、山崎和徳さんのお二人をお招きし、一部はかぐや姫をメインに、二部はよりお客様におなじみのオールディーズとなりました。人生経験豊かなお二人がギターを奏で歌う曲は、単にサウンドとしてわたしたちに伝わってくる以上の深みをもった音楽として伝わってきました。

少し甘酸っぱい経験、苦い経験・・・。ご自身が体験された人生の辛酸甘苦のストーリーをMCで巧みに披露される山崎さん。また、それに合いの手を入れて曲へとつないでいく兵賀さん、お二人は本当に息の合ったコンビであることを感じさせました。

「懐かしのフォークソング」とはよく言われることですが、歌う側、聴く側が当時を知るものである場合、懐かしさの感情はぐんと程度を増します。ある数学者が情緒の中心となるのは「懐かしさ」だと言っておられましたが、人はこの懐かしさを感ずるとき、コンサートのタイトルにもあったようにタイムスリップしてしまうのかもしれません。音楽が体験を呼び起こすのでしょう。

かぐや姫、アリス、風、サザンオールスターズ、ベンチャーズ、ザ・ゴールデンカップス、ザ・スパイダーズ、松田聖子、松任谷由実(荒井由実)、弘田三枝子、加藤和彦、はしだのりひこ。当日歌われたアーティストの数々です。弊社会長細田敏和をはじめ、会場にお越しのお客様の様子を拝見しておりますと、兵賀さん、山崎さんの歌を聴きながら、それぞれ往事の思い出に浸って楽しまれているようでした。

素敵なひとときをありがとうございました。

 フォトレポート

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第244回のテーマは、『今宵、あの時代へタイムトリップ。我が青春の夢を再び』。

「立春は過ぎましたが、本当に寒いですねぇ」と司会者。当日はぐーんと冷え込みました。今宵はオールドファンにはたまらない懐かしのフォークソング特集です。

ともにギター&ヴォーカルの兵賀俊樹さん(右)、山崎和徳さん(左)のご登場。健康の話題からスタート。普段、意識はしておりませんでしたが、当会場にAED(自動体外式除細動器)があって安心されるお客様もおられるのかもしれません。

兵賀さんの「ミスター・ロンリー」の歌をバックに、城達也さんで有名なジェットストリームのナレーションのように、山崎さんがデュオの自己紹介をされました。

かぐや姫といえば、「神田川」や「22才の別れ」がつとに有名ですが、初期の頃の曲で「僕の胸でおやすみ」を歌います。

山崎さんはポメラニアンを飼っているそうですが、いつの間にか毎晩山崎さんの腕枕でイビキをかいて寝ているそうです。また、グループ名が「ちょいワルズ」だとか。そんな曲の合間の楽しい会話でもくつろげます。

同じくかぐや姫の曲で「加茂の流れに」。「選曲は会場に来られる方々の男女比、年齢、収入格差(笑)、大体そんなところで決めています(兵賀さん)」。一部は、かぐや姫がメインで二部はオーソドックスなオールディーズとなります。続けて、曲はかぐや姫で「目をとじて」。

三途の川を見たというお話しがあり、なぜか道の傍らでは音楽隊がいて軍艦マーチが演奏されていたそうです。不思議ですね(笑)。三途の川つながりというわけではありませんが、曲は「けれど生きている(かぐや姫)」。

名曲「22才の別れ」を演奏後、笑顔を見せるお二人。「22才、イイ時代でしたねぇ〜」と山崎さん。その頃、お付き合いしていた北国のガールフレンドとの秘話?もご紹介していただいて、会場の皆さんもすっかり昔のことを思い出されていたのではないでしょうか。風の曲で、北国の悲しい歌「北国列車」とつなげます。

「思い出の富山の鱒寿司は今でも買ってしまいます」と山崎さん。突然、さよならされた恋でした。かぐや姫で「突然さよなら」。MCの曲へのつなぎが実に巧みです。

おモテになる山崎さんの、ここ御茶の水にまつわる学生時代の思い出話が語られます。その当時、流れていた曲で「アビーロードの街(かぐや姫)」を歌います。

コンサートも一部終盤にさしかかってきました。曲は伊勢正三さんのバンド“風”の「でいどりーむ」。幼い日の春夏秋冬の様子が、情景的に目に見えるような歌詞で綴られた素敵な曲です。そして、かぐや姫の反戦歌「あの人の手紙」と続きます。

一部最後の曲となりました。「二部はご存じの曲がかならず出てきますので、ぜひ帰らないでください」と山崎さん。いえいえ、皆さん存分に楽しまれていて、そんなことはありませんよ。アリスの曲でどなたもご存じの「今はもうだれも」。会場の皆さんの手拍子とともに盛り上がりました。

二部のオープニングは、サザンオールスターズの名曲「Ya Ya (あの時代を忘れない) 」。懐かしい曲です。

これから懐かしソング集に入ります。ベンチャーズの作詞作曲による「京都慕情」です。渚ゆう子さんが歌っていました。ベンチャーズがこんな日本情緒豊かな曲を作っていたとは知りませんでした。

GSサウンドを2曲。ザ・ゴールデンカップスの「長い髪の少女」、そしてザ・スパイダーズの「あの時君は若かった」と続きます。「あの時君は若かった」を作曲されたかまやつひろしさんに、兵賀さんは二度ほど会われているそうです。良い曲をたくさん作っておられて、作曲家としても優れた方でした。

「皆さんの青春がよみがえってきたのではないでしょうか(兵賀さん)」。兵賀さんの学生時代に流行った曲で、松田聖子さんの「スイートメモリー」を歌います。男性の兵賀さんが歌っても素敵な曲でした。

お二人にはあだ名があって、山崎さんは「ケビン」、兵賀さんは「アラン」。お二人が飲みに行っていた某クラブでつけられたそうですが、「もうそんなクラブは卒業しました(兵賀さん)」ということで、曲は松任谷由実さん(当時は荒井由実さん)の「卒業写真」です。

切なさとさみしさがこみ上げてくるオールディーズナンバーが続きます。弘田三枝子さんの歌で知られる「砂に消えた涙(ピエロ・ソフィーチ作曲)」、続いて加藤和彦さん作曲でベッツィ&クリスの歌で知られる「白い色は恋人の色」。山崎さんは加藤さんの最後のステージでこの歌を聴いたそうです。

コンサートの始まりのときと同じようにジェットストリーム風にコンサートの締めのご挨拶です。そして、最後の曲ははしだのりひこさんの「風」です。一緒に口ずさむお客様もたくさんいらっしゃいました。

アンコールでお客様から「なごり雪」があったのですが、レパートリーにはなかったそうでしたが、記憶を元に歌ってくださいました。そして、正式な?アンコールは、フォーク・デュオ風の「ささやかなこの人生」です。盛大な拍手が起こり、花束が贈られました。

弊社会長細田敏和より閉演のご挨拶。「オールディーズの曲を聴くたびに、走馬灯のように、当時付き合っていた女性が出てくるかなぁ?と思っていましたが、全然でてきませんでした。歌詞を思い出すことに集中していました(笑)」。それだけ懐かしい曲を楽しむことに専念されたということでよろしいでしょうか。会長のみならず、多くのお客様がタイムトリップして、当時のことを存分に思い出し楽しまれたかと思います。山崎さん、兵賀さん、ありがとうございました。