第251回千代田チャリティ・コンサート
古(いにしえ)の宮廷文化に出会う宵
神々棲まう南の島から
10月に入っても暑い日が続きましたが、当日は過ごしやすくコンサートを聴くにはちょうどよい陽気となりました。日本全国に甚大な被害をまき散らした台風が過ぎ去って、やっと秋らしい日々を迎えることができ安堵いたしました。
さて、今回は当コンサート初となるガムラン演奏とバリ舞踊をお届けいたしました。ガムラン演奏は「トゥラン・ブーラン」の皆様、そしてバリ舞踊は舞踊家の荒内琴江さんを中心とする「ナーガ・ジュパン」の皆様です。出演者の皆さんが、コンサート会場を盛り上げるために、ご自身で飾り付けをしてくださいました。会場はすっかりバリの雰囲気となり、演奏と踊りが始まる前から期待が膨らみます。
一部のMCで「バリの芸能であるガムランや踊りは、私たち日本人にとってもどこか懐かしく、温かく、深く、豊かで、また宝石をちりばめたような煌びやかさも感じられます」とお話しがありましたが、楽器演奏と踊りがわたしたち日本人のDNAに共鳴するのでしょうか、たしかに遠く郷愁を感じさせるものがありました。
踊りには王女の悲哀の物語や、魔女や、森の魔物の話といったバリに伝わる神話的な内容を題材にしています。バリの人々は、ガムラン演奏と舞踊で自分たちの民族の伝統と文化を、絶やさず伝えていくのでしょう。
ガムラン演奏の櫻田素子さんが、「ガムランの楽器の魔力に引き込まれまして、一生このままいくのではないかと思います」とガムランの魅力を情熱を込めて語ってくださいましたが、今回の演目を通してお客様もどんどんハマっていくのではないでしょうか。
実際、身を乗り出して、あるいは立ち上がって演目を熱心にご覧になられるお客様に、いつもとは異なる、お客様ご自身の熱気さえ感じられました。関心の度合いがとても高かったのだ思います。
楽器演奏、踊り手の美しい衣装と踊り、そしてそれを観て聞いてくださるお客様がすべて一体となって創り出すエネルギー。それらを目に見えないものに捧げて、さらにその恩恵をわたしたちが享受する。
単に楽器演奏や踊りといった概念を超えた壮大さがあります。
最後の演目で荒内琴江さんの踊りは圧巻でした。演奏と踊りが一体となって、躍動する動きに命が奔出する様を観ているようでした。
弊社会長細田が「とてもダイナミックで、わたしも一緒に踊った方がいいかなと思いました」と言わしめるくらい、パワフルなダイナミックさが皆様に浸透したように感じられました。
ガムラン演奏の「トゥラン・ブーラン」の皆様、そしてバリ舞踊の「ナーガ・ジュパン」の皆様、感動と元気をいただきました。ありがとうございました。
フォトレポート
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プスパ・メカール(Puspa Mekar)
チョンドン(レゴン・ラッサムより)(Condong)
キジャン・クンチャナ(Kijang Kencana)
演目資料より)
黄金の子鹿の踊りです。森の中で黄金の鹿が元気よく飛び跳ねながら、仲間と遊んでいる様子を描いています。ふざけ合いながら仲間の鹿をイジメるシーンにはハラハラさせられます。かわいい鹿さんたちがどんな会話をしながら飛び回っているのか、ぜひ、想像しながらご覧ください。
煌びやかな黄金の衣装で、踊り手さんが扮する子鹿たちが元気にぴょんぴょん飛び回ります。内容はわからないのですが、歌もある踊りでした。この演目で一部最後となりました。はじめてのガムラン演奏と踊りということもあり、身を乗り出して見ているお客様も多く、時間もあっという間に過ぎてしまいました。