第245回千代田チャリティ・コンサート

名曲の世界へようこそ
私のお気に入りに巡り逢う

東京では前日に雪が降るなど大変寒かったのですが、コンサート当日はうって変わって日中の最高気温が18℃まであがるなど、「春に三日の晴れ無し」を証明するかのような天気でした。

さて、当日はヴァイオリンの宇野未祐紀さん、ピアノの菅原知子さんのお二人をお招きしてのコンサート。タンゴを中心に、クラシック、日本の唱歌、歌謡曲、映画音楽、ワルツと幅広い楽曲を演奏していただきました。

演奏もさることながら、宇野さんと菅原さんお二人のやり取りがとてもウィットに富んでいて、コンサートの表情を豊かにしてくれるものでした。宇野未祐紀さんは新宿にダンスホールがあった当時、ハードなスケジュールで演奏をしていたときがあって、そのことがご自身の財産になっているとか。切れと彩りのある演奏にお客様も魅了されたようです。

菅原知子さんは、兄弟デュオで有名な「ビリー・バンバン」の菅原進さん(弟さん)の奥様でもいらっしゃいます。お二人のなれそめのお話しを面白おかしく、またビリー・バンバンのお二人が病気を克服して音楽生活に復帰されたことなどもお話しくださいました。

弊社会長細田が「先月のフォークソングは弊社山口社長の時代でしたが、きょうはわたしの時代の音楽でとても楽しめました」と申しておりました。同年代の方のみならず、幅広いお客様にも十分楽しめたコンサートだったように思います。ジャンルや時代に捉われない楽曲、宇野さんと菅原さんの明るくて楽しいやり取り、そして優れた演奏。たっぷりと音楽を楽しめた2時間でした。ありがとうございました。

 フォトレポート

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第245回のテーマは、『名曲の世界へようこそ。私のお気に入りに巡り逢う』。

「昨日の雪、寒さ!暑さ寒さも彼岸までという言葉ありますが、まったくあてになりません」と司会者。当日はうって変わって気温が18℃まであがる穏やかな一日となりました。

ヴァイオリンの宇野未祐紀さん、ピアノの菅原知子さんのご登場。オープニングはタンゴの曲で「夜明け」です。

「1曲目の作曲者(ロベルト・フィルポ)はとてもお酒が好きで、いっぱいハシゴをしてしまって、朝日を見ながら小鳥の声を聞いて曲を書いたと言われています。まるでわたしの昔みたい(笑)」と宇野さん。

夜が明けたところで、次はコンチネンタル・タンゴで「碧空(あおぞら|バルナバス・フォン・ゲッツィ作曲)」です。

今度は菅原さんのMC。アルゼンチンタンゴの名曲「ア・メディア・ルス(淡き光に)」は娼婦の部屋の様子が歌詞となっているそうです。「そんな感じで弾きましょうか(笑)」と菅原さん。「淡き光がドロドロになりそうですけど(笑)」と応じる宇野さん。互いに絶妙のコンビネーションです。

菅原知子さんは、兄弟デュオで有名な「ビリー・バンバン」の菅原進さん(弟さん)の奥様でもいらっしゃいます。うまいこと騙されたと冗談めいて、出会いのお話しも披露して下さいました。いやいや、本当はお互いの魅力でケミストリーを起こしたのでしょうね。

そんなわけで、曲はビリー・バンバンのデビュー曲で大ヒットした「白いブランコ」です。1969年の曲です。

次は「オーロラ」。BS朝日の「世界の名画」というTV番組のエンディングとして使われていた曲で、宇野さんが演奏していました。癒やしの曲と言えるようなとても素敵な曲です。

「黄昏のビギン」。中村八大さんの曲で、ちあきなおみさんが歌っていました。そして、同じくちあきなおみさんが歌っていた「星影の小径(利根一郎作曲)」と続きます。

一部最後の曲となりました。ピアノを全開にしての演奏で、アストル・ピアソラ作曲で皆様おなじみの「リベルタンゴ」です。チェリストのヨーヨー・マが演奏してとても有名になりました。宇野さんはタンゴの救世主じゃないかと思うくらいピアソラがお好きだそうです。菅原さんは宇野さんに出会うまでタンゴは演奏したことがなかったとか。

二部のオープニングは、菅原さんのソロ演奏で、日本の唱歌より「花(瀧廉太郎作曲)」をお届けします。ボサノヴァやラグタイム風のアレンジを加えての演奏です。

続いて同じく唱歌「浜辺の歌」。今度は皆様が歌いやすいようにアレンジ無しのストレートな演奏です。宇野さんがヴァイオリンを弾きながら、会場のお客様を廻ってくださいました。

ビリー・バンバンはデビューして48年が経ちます。45周年のときに、お兄さんの菅原孝さんがご病気になられ、その後弟さんの進さんもご病気になってしまいました。病気から復活して、歌が歌えるようになるまでのお話しを一冊の本にまとめました。その本のタイトルは「さよなら涙」でサブタイトルが「リハビリ・バンバン」。菅原知子さんより本のご紹介がありました。読むと凄く勇気づけられる素晴らしいご本です。

曲は映画音楽で有名な「ひまわり(ヘンリー・マンシーニ作曲)」。宇野さんはこの映画の冒頭しか見ていないそうです。「すごい見たかのような演奏でしたよ」と菅原さん。ぜひ最後までご覧ください。

ワルツメドレーです。1曲目は「ムーンリバー」、2曲目は「ノクターン第2番」、3曲目は「魅惑のワルツ」と続きます。どなたもご存じの素敵な曲ばかりです。

タンゴの名曲「エル・チョクロ」。エル・チョクロとはスペイン語で、「とうもろこし」という意味だそうですが、宇野さんはどうもピンとこなくて、サッチモ(ルイ・アームストロング)が「Kiss Of Fire」というタイトルで歌っていて、こちらのほうがいいなと思っているそうです。たしかに、とうもろこしではピンときませんね。

宇野さんがダンスホールで弾いていた曲で「フレネシー」。会場の皆さんのチャチャチャの拍手を交えての楽しい演奏となりました。

次の曲は「小雨降る径(ヘンリー・ヒンメル作曲)」。コンチネンタル・タンゴとして有名ですが、日本ではシャンソンとして、同時にタンゴとしても知られています。

本日最後の曲は、100年以上前のタンゴの名曲「ラ・クンパルシータ」。「プロの作曲家が作った曲ではなく、学生が仮装行列のお祭りのときに軽く作った曲です(菅原さん)」。いまでは世界中でこの曲を知らない人はいないほどの名曲です。

盛大なお客様の拍手に応えてのアンコール。「曲はわたしたちにぴったりの、“ジェラシー”!」と宇野さん。「わたしを一緒にしないでくだささい(笑)」と菅原さん。コミカルなやり取りと、そしてもちろん素敵な演奏でコンサートは幕を閉じました。宇野未祐紀さん、菅原知子さん、ありがとうございました。

弊社会長細田敏和より閉演のご挨拶。「きょうはタンゴなどダンス音楽をたくさん演奏していただいたので、大学生のときに、軽音楽をやっている友人に若い女の子がたくさんいるからと、フォークダンスもできない自分がダンスホールに連れて行かれたことを思い出しました(笑)」
楽しい思い出がたくさんおありだったんでしょうね。皆様も楽しまれたようで素敵な2時間となりました。