第241回千代田チャリティ・コンサート

深まる秋の夜に至福の瞬間(とき)を
響き合う若き芸術家たちに出会う

コンサート当日は、終日秋晴れとなるとてもよい天気で、紅葉狩りもこれから本格的に始まろうかという時期でした。10月は秋を通り越して一気に冬になるのではと思われていましたが、どうにか普段通りの秋の様相です。

さて、本日は毎年恒例となっております国際音楽祭ヤングプラハにご出演の若き演奏家の皆さんによるコンサートです。今回は、木管五重奏の「ベルフィアートクインテッド」の皆さん、そしてファゴットの伊藤綾子さんをお招きしました。

MCを担当されたのは、チェコと日本の両国にまたがってコンサートをプロデュースしてくださった、ご自身もフルーティストのフィンダ志保子さんです。演奏曲目はチェコの作曲家のA.レイハ、ハンガリー出身のG.リゲティ、そして皆様ご存じのチェコのA.ドヴォジャークとなります。

フィンダさんは、音楽の知識を分かりやすく歴史を交えて説明してくださることに加えて、フルートのオト・ライプリッヒさんが本国にピッコロを忘れてきてしまったエピソードを内緒で暴露?して笑いを取るなど、メリハリのある解説で皆様を楽しませてくれました。

ホルンのカテジナ・ヤヴールコヴァーさんはすでに来日4回目です。初めて弊社のコンサートの出演されたときは18歳でしたが、さほど年月を経ていないのに現在はチェコ・フィルハーモニー管弦楽団で大活躍されています。カテジナさんによれば、出演者全員が「日本が好きで好きで、好きすぎて困るほど好きです」とのことだそうです。ありがとうございます。

アンコールの曲も含め、3曲も日本の唱歌が演奏されました。フィンダさんによれば、彼らには初めての曲なのに譜面を渡したら、本当に美しく演奏してくれましたとの評価です。その評価は聞いている私たちも同様です。演奏を通して、心を揺さぶられました。特にチェコ在住のフィンダさんは海外の日本人はみな「ふるさと」を聞くと格別の思いがするというお話で、日本で聞いてもウルウルしてしまいましたと吐露されていました。それだけ演奏が素晴らしかったということかと思います。

弊社会長細田が、「本日出演してくださったのはチェコフィルなど第一線で活躍されている凄い方ばかりで、素晴らしい音楽に触れる良い機会になったと思います」と感動を述べていました。
今回のコンサートのタイトルにありますように、響き合う芸術家たちに出会って、素晴らしい音楽に触れ、至福のときを過ごすことができました。

コーディネートをしてくださったフィンダ志保子さんに厚く感謝申し上げます。

 フォトレポート

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第241回のテーマは、『深まる秋の夜に至福の瞬間(とき)を。響き合う若き芸術家たちに出会う』。

皆さんはもう紅葉狩りに行かれましたでしょうか。本日は国際音楽祭ヤングプラハにご出演の若き音楽家の皆さんのご登場です。木管アンサンブルをお楽しみいただきます。(司会者)

木管五重奏曲 ホ短調 作品88-1 | A.レイハ(Antonin Rejcha 1770-1836)

♪Introduction-Allegro ma non troppo
♪Andante poco Allegretto
♪Menuetto : Allegro Vivo
♪Finale : Allegro

カテジナとベルフィアート・クインテット、そしてファゴットの伊藤綾子さんのご登場です。お客様より盛大な歓迎の拍手が贈られました。期待感が高まります。

オープニング曲は、「木管五重奏曲 ホ短調 作品88-1(Woodwind Quinted in E minor op.88-1)」。

ホルンのカテジナ・ヤヴールコヴァーさん。

今回賛助出演してくださったファゴットの伊藤 綾子さん。

クラリネットのイジー・ヤヴーレックさん。

オーボエのヤン・ソウチェクさん。

フルートのオト・ライプリッヒさん。

チェコ在住、ご自身もフルーティストのコンサートコーディネーター、フィンダ志保子さんによるMCです。クインテッドのメンバーが日本に来るのは本当に夢だったそうです。1曲目の作曲家レイハは、チェコ人でベートーベンとは友人同士。木管五重奏の曲を全部で24曲作曲しています。パリ音楽院での教え子には、ベルリオーズ、グノー、プランクなどそうそうたる音楽家がいます。

6つのバガテル | G.リゲティ(G.Ligeti 1923-2006)

♪Allegro con spirito
♪Rubato.Lamentoso
♪Allegro grazioso
♪Presto ruvido
♪Adagio, Mesto(in memoriam Bela Bartok)
♪Molts vivace.Capriccioso

オト・ライプリッヒさんがピッコロを本国から持ってくるのを忘れてしまったエピソードも内緒?でご紹介。でもご心配なく、ピッコロは日本で用意できました。

「6つのバガテル(G.リゲッティ)」。リゲッティはハンガリー人で、あの有名な「2001年宇宙の旅」のメインテーマも作っています。「バガテル」とは「ちょっとしたもの」という意味があるそうで、アイデアが浮かんだ曲をササッとメモしてそれを曲にしたようなものだそうです。

二部のスタートです。1曲目は事前に皆様にお配りしたプログラムでは日本の曲とだけ書かれていましたが、「荒城の月(滝廉太郎)」でした。やはり、日本人としてはしみじみとする曲です。

日本の曲は1曲だけかと思いましたが、続けてこれもまた知らぬ人のいない唱歌「ふるさと」が演奏されました。

日本の曲の演奏後、皆様から温かくそして盛大な拍手が湧き起こりました。

『海外に住む日本人は、この「ふるさと」を聞くと格別な思いがします。日本で聞いたら大丈夫かなと思ったら、やはりウルウルしました。彼らにとっては初めての曲を、楽譜だけを渡して、こんなに美しく演奏してくれて本当に感謝です。』とフィンダさん。

フィンダさんよりあらためてメンバー紹介です。ホルンのカテジナ・ヤヴールコヴァーさんは来日されるのは4回目で、今はチェコ・フィルハーモニー管弦楽団で大活躍されています。「私たちは日本が大好きで、好きすぎて困るほど好きです(カテジナさん)」と嬉しいお言葉。

フィンダさんよりドヴォジャークについての説明がありました。弊社会長細田もドヴォジャーク三世の方と親しくさせていただき、別荘なども案内してもらいました。

四重奏曲 第12番ヘ長調 作品96 『アメリカ』|A.ドヴォジャーク(Antonín Dvořák 1841-1904)

♪Allegro ma non troppo
♪Lento
♪Molto vivace
♪Vivace ma non troppo

最後の曲「アメリカ」はドヴォジャークのものですが、弦楽四重奏を木管五重奏用に書き直しての演奏となります。

弊社より花束贈呈の後、アンコール曲は再び日本の曲で「もみじ」の演奏です。締めにふさわしいしっとりとした選曲と心遣いに感謝いたします。

弊社会長細田より閉演のご挨拶。本日ご出演いただいた音楽家の皆さんはすごい実力をもった方々で、チェコフィルなど第一線で活躍されている方々ばかりです。とてもいい演奏会になりました。皆様にとっても素晴らしい音楽に触れる良い機会だったのではないでしょうか。コーディネートをしてくださったフィンダ志保子さん、ありがとうございました。