第240回千代田チャリティ・コンサート

眩いきらめきと遥かなる異国のリズム
遠い水平線のはてからジェットストリームに乗って

このところ、秋を通り越して冬に突入したような天候です。46年ぶりに10月の気温が15℃を下回るという寒さでしたが、当日はどうにか晴れて持ち直しました。とはいえ、秋に入ってはじめて暖房をつけました。

今回は、現役のキャビン・アテンダントのお仕事の傍ら、音楽活動もされている異色のボサノバユニット“Aviao”をお招きしました。ギター&ヴォーカルの小川やよいさん、ピアノの高橋恭子さんのお二人による構成です。お二人は新人訓練の時に出会って以来のお付き合いだそうです。

今年はボサノバを作ったと言われるアントニオ・カルロス・ジョビンの生誕90周年に当たるということで、おもにジョビンの曲を中心とした演奏となりました。ボサノバの有名な曲をお届けするとともに、MCではアントニオ・カルロス・ジョビンの性格や雰囲気も小川さんの表現力豊かな言葉を通して伝わってきます。また、ブラジルではたった6年でボサノバが追放されてしまったのですが、ボサノバの歴史、背景、そして広がりとお話を通して多くを知ることができました。

10年前に大病をした小川さん。闘病生活中に明日終わるかもしれない、そんな自分の人生を振り返って「あぁ、音楽をやりたい」と思い、生かされていることを感じながらギターを勉強され、現在に到っているそうです。

お二人の奏でるボサノバに「耳元でささやかれているような素敵なボサノバをたっぷりと堪能させていただきました」と感想を述べた弊社会長細田。その素敵なボサノバは、それを奏でる人間性があってこそ伝わるものだと実感いたしました。

小川さんより、「このようなチャリティはだんだん無くなっていってしまうのが悲しいことに現実なのですが、千代田チャリティコンサートのように240回もずっと続いて、皆様もたくさん集まって来てくださるというのは本当に素晴らしいことだと思います。また、そのような貴重なコンサートにお招きいただきまして本当に感謝しております」。弊社のチャリティコンサートを高く評価していただき、またコンサートにご尽力いただき誠にありがとうございました。これからもずっとチャリティコンサートを続けてまいります。

 フォトレポート

写真をクリックすると拡大表示されます

第240回のテーマは、『眩いきらめきと遥かなる異国のリズム。遠い水平線のはてからジェットストリームに乗って』。

大分過ごしやすくなりましたが、もう秋を通り越して冬に突入したかのようです。本日はギター&ヴォーカルの小川やよいさん、ピアノの高橋恭子さんのお二人によるボサノバユニット“Aviao”をお招きしました。(司会者)

“Aviao”のご登場です。今年は、ボサノバの父アントニオ・カルロス・ジョビンの生誕90周年に当たります。オープニングは彼の曲で「Fotografia」。

「普段、仕事をしながらライフワークとして音楽をしています。会長さんはとても素敵な方でお会いしただけでポーッとなってしまいました」と小川やよいさん。会長細田は照れまくりです;

2曲目もアントニオ・カルロス・ジョビンで「Ela E Carioca(彼女はカリオカ)」。この曲のモデルになった女性は、「イパネマの娘」のモデルとなったのと同じ女性だそうです。

「Aqua De Bebe(おいしい水)」。ピアノの高橋恭子さん。お酒好きのジョビンが作った曲なので、これは「水」ではなく「お酒」だそうです。なんとギターの小川さんは「お酒を水のように飲むタイプ」とのこと(笑)。

サンバのバラードで、ボサノバの元になったサンバ・カンソン。その中から美しい曲「Nunca(ヌンカ)」をお届けします。「あなたとはもう二度と会うことはないけれど、あなたに出会ったことにとても感謝しています」。そんな悲しいけれど前向きな内容です。

次は同じくジョビンの曲でテンポの速い可愛らしい曲「So Danco Samba(ソ・ダンソ・サンバ)」。高橋恭子さんのピアノが心地よく軽快です。

小川さんと高橋さんはお仕事の新人訓練のときに出会って以来のお付き合いだそうです。高橋さんは幼少の頃より、ピアノの即興の勉強をしていたせいもあって、小川さんがリクエストした曲は初見でその場で弾けるとか。凄いですね。

クラシックには楽譜があり忠実な再現が求められます。ボサノバには各パートの楽譜がなく、自分の好きなようにアドリブを入れていくことができます。実際にピアノで13度まである複雑で独特なボサノバのコードの違いなど、クラシックとボサノバの違いを説明する高橋さん。

映画「黒いオルフェ」の主題曲「カーニバルの朝」。ボサノバを世界中に広めた曲です。映画はギリシア神話のオルフェウスを題材にしたもので、作曲はアントニオ・カルロス・ジョビンです。

一部最後となりました。アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「イパネマの娘」です。イパネマの海岸を歩く女性を見ながら作られたものです。演奏後、大きな拍手が起こりました。

二部スタートです。ボサノバをブラジルに広めた最初の曲と言われている「Chega De Saudade(シェガ・ジ・サウダージ)」。こんな恋はやめて次の曲にいこうじゃないかという歌ですが、ダブルミーニングでブラジル政府に対抗する若者達の気持ちを表しています。

小川さんより今回で240回となる弊社チャリティコンサートを高く評価していただきました。ありがとうございます。「少しでもそんな皆様とお近づきになれますように」ということでカーペンターズの「Close To You(遙かなる影)」と巧みな曲紹介です。

次はまたピアノメインでリズミカルな「One Note Samba」。「色んな音があるけれど、“ドレミファソラシド”の“ド”の音に戻るとしっくりいくように、たくさんの女性と付き合ったけれど、最後は君に戻ったよという、身勝手な男性な曲です(小川やよいさん)」。

映画「酒とバラの日々」の主題歌より「Days Of Wine and Roses」をボサノバ・バージョンでお届けします。映画より曲のほうが世界中に知れ渡っています。

「Fly Me To The Moon」。この曲は元々は「In Other Words」というタイトルで3拍子でしたが、これをボサノバとしてアレンジしたものをフランク・シナトラが歌って大ヒットしました。

映画「いそしぎ」より主題歌「The Shadow Of Your Smile」。映画の内容は、校長先生と生徒の母が恋に落ちるお話でした。この曲も世界中で大ヒットしました。この曲をボサノバでアレンジしてお届けします。

『こちらのチャリティコンサートは、100%、恵まれないお子さん達に寄付されているとお聞きして、本当に素晴らしいことだなと思います。そんな子供達への祈りを込めて、またこのコンサートに感謝の気持ちを込めて、アントニオ・カルロス・ジョビンの「Wave」で締めさせいただきます(小川やよいさん)』。

アンコールは、愛情のこもった拍手をいただいた皆さんへ、愛情のある歌をということで「ダニーボーイ」です。演奏後、盛大な拍手を受ける小川やよいさんと高橋恭子さん。癒やしの2時間、ありがとうございました。

弊社会長細田敏和より閉演のご挨拶。「耳元でささやかれているような素敵なボサノバをたっぷりと堪能させていただきました」。11月は毎年恒例のヤングプラハのメンバーによるコンサートです。お楽しみに!