第237回千代田チャリティ・コンサート

震える魂の競演
心の共鳴が奏でる響きに出会う

当日は夕方には雨がほぼ止んだとはいえ、大雨と強風で一時は新幹線も運転を見合わせるほどでした。それにもかかわらず、大勢のお客様にお越しいただきまして誠にありがとうございます。

さて、今宵のコンサートはサックスの田中邦和さん、アコーディオンの佐藤芳明さんをお招きして、ジャズのスタンダードナンバー、映画音楽そしてシャンソンなどを演奏していただきました。お二人の演奏はとても独創的でユニークな印象を受けました。二つの楽器をまるでパーカッションのように使ってみたり、サックスのネックの部分を取り外し、ネックを和楽器の笛のように吹いてしまったりと聞いているお客様も大変驚かれているようでした。

田中さんは「いつもはマイクなどがあって、楽器本来の持っている音が伝えられないことが多いのですが、きょうのようなコンサートの場合、サックスに吹き込む息の音、アコーディオンの鍵盤を触っている音が皆さんに伝わります。やはり音楽というのは生で聞いて、演奏者から出ている音を聞いていただくのが一番です」と言っておられました。

田中さんの言葉通り、演奏者との距離感があまりないことが幸いして、CDなどで聞く音楽とは異なり、楽器を吹く息づかいのひとつひとつが伝わり、まさに人間が楽器を奏でているというリアルさ、楽器の音ではなく、楽器と人間のコラボ、その生の感覚が存分に味わえたコンサートでした。アドリブに満ちたジャズ演奏、本物のジャズを見せていただいた気がします。今ここで音楽が生み出されていく、創造の瞬間を目撃している、そんな貴重な体験ができたように思います。

弊社会長細田が「とても情熱的だったですね!」と申しておりましたが、田中さんのサックスと佐藤さんのアコーディオンの、アドリブ感溢れる自由でパワフルな演奏は聞いている私たちを熱くさせるものがありました。情熱的で創造的な演奏をありがとうございました。

 フォトレポート

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第237回のテーマは、『震える魂の競演。心の共鳴が奏でる響きに出会う』。

本日は夕方には雨がほぼ止んだとはいえ、大雨と強風で一時は新幹線も運転を見合わせるほどでした。それにもかかわらず、大勢のお客様にお越しいただきまして誠にありがとうございます。

コンサートが始まりました。サックスの田中邦和さん、アコーディオンの佐藤芳明さんのご登場です。オープニングはデューク・エリントンの「C-Jam Blues 」。

「きょうはできるだけわかりやすいスタンダードなジャズ、古いジャズ、そして映画音楽やシャンソンをお届けします。また、楽器の生の音を聞いて、その魅力を知っていただければと思います(田中さん)」。

2曲目はベニー・グッドマンのレパートリーで有名な「Stompin’ At The Savoy」。

アコーディオン奏者佐藤芳明さんは、国内外を問わずジャンルを超えて幅広く活躍されています。

映画音楽で「いそしぎ(The Shadow Of Your Smile)」。佐藤さんがアコーディオンのボディを叩いてパーカッションのようにリズムを刻みます。懐かしい名曲に皆さんもうっとり。

佐藤さんからアコーディオンについて解説がありました。とても複雑な作りなのですが、なにより重さが12Kgもあって、それを持って演奏していたら肩や腰が痛くならないかと心配してしまいました。佐藤さんは「今のところ、大丈夫です」とのことでした(笑)。

今度は田中さんよりサックスについての解説です。当日お持ちいただいたテナーサックスとソプラノサックスでは1オクターブ異なるそうです。サックスは19世紀にベルギー出身のアドルフ・サックスという人が発明したもので、楽器の起源がわかっている珍しい楽器です。

続いて曲は「September Song」。この曲はミュージカル「ニッカボッカ・ホリデー(1938)」で使われたもので、三文オペラなどでも有名なクルト・ワイルの作曲です。

映画「思い出の夏(Summer Of '42)」の主題歌となったミシェル・ルグランの同名タイトル曲です。素敵な曲です。

あっという間に一部最後の曲となりました。フランク・レッサーが作曲し、ベニー・グッドマンが演奏して有名になった曲「Slow Boat To China」。ジャズはライブに限るということを存分に感じた一部でした。

二部のオープニングは、皆様のご存じのジャズのスタンダードナンバー「Tea For Two」。

田中さんから「次はStardustやりましょうか」と言葉出たら、すでにお客様より大きな拍手が沸き起こりました。やはり、名曲中の名曲なので皆様もよくご存じです。そして、ライブならではの息づかいとアドリブのある素晴らしい演奏です。

エディット・ピアフの曲として有名なシャンソンで「ラビアンローズ(ばら色の人生)」。どうやって終わらせるかがまだ決まっていないと言いながらも、即興でもちろん素晴らしい演奏になっていました。さすがです。

ポール・デズモンド作曲、これもまた名曲の「Take 5」。デイヴ・ブルーベック・カルテットの演奏で有名です。お二人の演奏がアドリブ感豊かで、とても刺激的な演奏です。2つの楽器をともにパーカッションのように使ってしまうシーンも。

弊社会長細田敏和より閉演のご挨拶。「梅雨空を吹き飛ばすような、とても情熱的な演奏でしたね!」。「弊社の第60期もよい結果を出すことができました。何より心配なのはこのチャリティコンサートが続けられるかどうかです」。お陰様で今後もコンサートを続けていくことができそうです。皆様、いつもご支援をありがとうございます。