第235回千代田チャリティ・コンサート

心躍るアンサンブルの妙
古き良き…を偲ぶSwingのリズム

前回のコンサートのときは、寒の戻りで寒い一日となりましたが、桜の季節も過ぎ、季節は確実にその歩みを進めました。コンサート当日は夕方になって若干冷え込んだものの、日中は初夏を思わせる陽気で大勢のお客様にもお越しいただきまして、ありがとうございます。

さて本日は、“加治雄太 Swingin' Three”の皆さんをお招きして、ジャズがダンス音楽だった時代の古き良きジャズを楽しんでいただきました。リーダーでギターの加治雄太さん、テナーサックス/クラリネットの渡邊恭一さん、そしてベースの寺尾陽介さんによるトリオ構成です。三名の皆さんはともに高校、大学時代からジャズに親しんで来られ、渡邊さんなどはなんと高校生のときからプロとして活躍されていたそうです。

加治さん、寺尾さんはともに明治大学の名門ビッグバンド「ビッグ・サウンズ・ソサエティ・オーケストラ」で活躍され、渡邊さんは早稲田大学3年生のときにジャズコンテストで優勝した経験の持ち主です。皆さんは今でも十分お若いのですが、若いときから活躍されているため、演奏を聞いていると経験豊富な実力派ジャズ・ミュージシャンという印象に変わります。

1930年代から40年代のジャズのスタンダードナンバーを多く演奏していただきましたが、加治さん、渡邊さん、寺尾さん、皆さんが実に楽しそうに演奏されているので、単に古き良き時代のジャズを聞いているというより、「今楽しめる音楽」として演奏が伝わってきました。これも実力のひとつなのでしょう。また、ジャズ演奏ならではの「ライブ感」をとても感じました。加治さんが、「ジャズは音を通した会話みたいなものなんです」と言っておられました。寺尾さんのベースソロで始まった「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」はリハーサルでも一緒に演奏したことがないのに、楽器による「会話」で実に見事な演奏として成立していました。聴いている私達も、今、音楽が作られていくのを目の当たりにしているようなライブ感を味わえてとても楽しく時間を過ごすことができました。

弊社会長細田が「しっかりとスウイングできて、実に楽しいひと時を過ごすことができました」と申しておりましたが、“加治雄太 Swingin' Three”の皆さんの演奏がスウイングしてライブ感があったおかげかと思います。

夜になって若干冷え込みましたが、会場は皆さんの演奏で爽やかなジャズの風が吹いていたのではないでしょうか。“加治雄太 Swingin' Three”の皆さん、素敵な演奏をありがとうございました。

 フォトレポート

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第235回のテーマは、「心躍るアンサンブルの妙。古き良き…を偲ぶSwingのリズム」。

出張など所用のため3ヶ月ぶりとなった司会者。皆様にはご無沙汰しておりました。そのご無沙汰も「皆さん、寂しかったですか?」で笑いをとり、安定の司会ぶりを披露。きょうは久しぶりのジャズとなります。

“加治雄太 Swingin' Three”の皆さんのご登場です。メンバー紹介の後、オープニングは本来17人編成のビッグバンドで演奏する名曲で「シャイニー・ストッキングス」。

「本日お送りするジャズは、スウイング・ジャズです。ジャズがダンス音楽だった時代のジャズ、一言で言うと楽しいジャズです。お楽しみください!(加治雄太さん)」。リーダーの加治さんが本日のMCを務めます。

2曲目は古き良き時代のジャズのスタンダードナンバー「ブロードウェイ」。

テナーサックス、クラリネットの渡邊恭一さんは、加治さんとは10年来のおつきあいですが、なんと高校生のときからプロとして活動を初めていたそうです。早稲田大学3年生のときにジャズコンテストで優勝した経験の持ち主です。

これも名曲「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」をボサノバアレンジで。加治さんのギターがとても軽快で心地よく響きます。また、楽しそうにギターを弾かれるのが印象的です。

最近はレディ・ガガとも活動をしているトニー・ベネットの歌で「想い出のサンフランシスコ」。この曲は彼を一躍有名にしました。「シンプルな歌をシンプルに歌い、あれほど心に突き刺さる歌い方をする人は後にも先にもいないと思います(加治さん)」。渡邊さんのテナーサックスが心に響きます。

ベースの寺尾陽介さんは、加治さんと同じく明治大学の名門ビッグバンド「ビッグ・サウンズ・ソサエティ・オーケストラ」出身です。大学2年生のときからプロとして活躍されているそうです。ジャズ・ヴォーカリスト宮崎幸子さんのNYでのレコーディングでもご指名を受けるなど若手トップの実力の持ち主です。

スウイング・ジャズといえば、ダンスソング。ダンスソングといえば、大人の時間を演出する曲「チーク・トゥー・チーク」。一部最後の曲となります。

第二部が始まりました。1曲目は皆様よくご存知のジャズの名曲「スター・ダスト」です。渡邊さんのテナーサックスに思わずうっとりとさせられます。とても気持ちのよい二部のスタートです。

今度は渡邊さんがクラリネットに持ち替えて、古き良きナンバーをお届けしてまいります。曲はクラリネットの名手ベニー・グッドマン、ギターの名手チャーリー・クリスチャンで有名な「セブン・カム・イレブン」。

アメリカの1930年代のヒットチャートの上位は映画やミュージカルで使われた曲でした。次は映画でおなじみのジャズの名曲から、小気味良いスウイングの「酒とバラの日々」をお届けします。

寺尾さんのベース・ソロで始まった名曲「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」。それに呼応するかのように加治さんのギター、そして渡邊さんのクラリネットが音を紡ぎ出し名曲を形作っていきます。この曲を3人で演奏したのはリハーサルを通しても初めてだったそうです。「ジャズは音を通した会話みたいなものなんです(加治さん)」

最後の曲となりました。「きょうのコンサートは楽しかったなぁと思っていただくためにこの曲をお届けします」。曲はジョージ・ガーシュインの「アイ・ガット・リズム」。とても軽快で盛り上がる曲です。

お客様の盛大な拍手に応えてのアンコール。加治さんのギターソロで「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド(この素晴らしき世界)」。何度も聞いたことのある曲ですが、加治さんのギターソロで聞くとまた味わい深い素敵な曲に聞こえます。

そして、アンコールの第二弾。最後は皆さんで演奏です。曲はこれもまたジャズの名曲「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート(明るい表通りで)」。お客様の手拍子も高らかに大変盛り上がったエンディングとなりました。

弊社会長細田 敏和より閉演のご挨拶。「久しぶりのジャズでしっかりとスウイングでき、実に楽しいひと時を過ごせたかなと思います」。初夏に向かう陽気となってまいりますが、皆様もお体にご留意ください。本日はありがとうございました。