第230回千代田チャリティ・コンサート

溢れる才能に出会う瞬間(とき)
若き芸術家たちの競演に酔う

小春日和という天気予報でしたが夕方になると冷え込み、一日の気温差が10℃以上もあり、確かな冬の到来を感じさせるコンサート当日でした。

今回は今や毎年好例となっております国際音楽祭ヤングプラハご出演の演奏家の皆さんを招いてのコンサートとなります。国際音楽祭ヤングプラハは、新進気鋭の演奏家の登竜門となっている音楽祭で、毎年8月後半から9月後半まで開催されています。弊社会長細田も9月のファイナルコンサートに招かれており、弊社とヤングプラハとの結びつきも年々深まっているようです。

当日ご出演くださったのは、オーボエのヨハネス・グロッソさん、ピアノのミロスラフ・セケラさん、ピアノの阪田 知樹さんの3名の演奏家です。今回のコンサートのタイトルは『溢れる才能に出会う瞬間(とき)、若き芸術家たちの競演に酔う』というものでしたが、まさにこの言葉を実感させるような素晴らしいコンサートでした。

MCは阪田さんにつとめていただきました。一流の演奏家によるMCもめったにあるものではないと思いますが、深い理解に根ざした解説を聞くことができたのは大変勉強になりました。セケラさんは、モーツァルトを描いた映画「アマデウス」で幼少期のモーツァルト演じた方で、映画の中で実際に目隠しをしてクラヴィーアを弾いた当人でもあります。そのセケラさんが時を経て、一流のピアニストとなり、私達の前で演奏しているのを目にし耳にすることに感動を覚えました。

現在、ドイツに留学中で3年目を迎えた阪田さんの世界初演となる『オーボエとピアノの為の「無言歌」』を聞けたのは大変幸運でした。弊社会長細田が、「何年かして、この場でこの曲を聴けたことを感慨をもって振り返ることになるのではないでしょうか」と申しておりましたが、遠からずそんな日が来ることを確信しています。
溢れる才能をもった一流の芸術家たちの演奏を、皆様とともに共有できたことに喜びと感動を覚えた2時間でした。

また、チェコと日本の両国にまたがってコンサートをプロデュースしてくださったフィンダ志保子さんに御礼申し上げます。

 フォトレポート

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230回コンサートのテーマは、「溢れる才能に出会う瞬間(とき)。若き芸術家たちの競演に酔う」。

紅葉も見頃になって、そろそろ冬の到来を感じさせるコンサート当日でした。今回は国際音楽祭ヤング・プラハの若き演奏家の皆さんをお招きしてのコンサートとなります。

コンサートが始まりました。1曲目は、「夢のあとで(G.フォーレ/1845-1924)」。オーボエはヨハネス・グロッソさん、ピアノは阪田 知樹さんです。

阪田 知樹さんによるMC。「他の出演者が日本語ができないため、わたしが司会進行を務めさせていただきたいと思います」。

ミロスラフ・セケラさんのピアノ演奏です。はじめは、L..ヤナーチェク(1854-1928)の曲の演奏です。セケラさんは、子供頃から才能が秀でたこともなり、なんと映画「アマデウス」で幼少期のモーツァルトを実際に演じたこともある、チェコでも有名な方です。

演奏曲目は、L.ヤナーチェクの『ソナタ 1905年10月1日』、『予感』、『死〔原題は「悲歌」〕』です。

セケラさんの演奏が続きます。B.スメタナの『演奏会用エチュード作品17「海辺にて」』、F.ショパンの『夜想曲 嬰ハ短調 「遺作」』そしてF.リストーヴェルディの『「リゴレット」による演奏会用パラフレーズ』と続きます

セケラさんの演奏をもって、一部終了となります。一流のピアニストの演奏にたっぷりと酔いしれることができました。皆さんの拍手の力強さに、どれだけ皆さんが感動されたか、その思いが込められていました。

コンサート第二部のスタートです。「無言歌というのは小品で2・3分くらいのものですが、短い作品ほど、シンメトリーな形式を持つものが多く、このシンメトリーな形式を崩したらどうなるのだろうか?偶数の小節から構成されている旋律を崩して、書いたのがこの曲です(阪田さん)」

阪田さん作曲の『オーボエとピアノの為の「無言歌」』。何と世界初演となります!ピアノはもちろん、阪田さん、オーボエはヨハネス・グロッソさんです。

阪田さんとグロッソさんの演奏が続きます。曲目は、C.サンサーンスの「オーボエとピアノの為のソナタ」、「Andatino」、「Allegro」、「Molto Allegro」と続きます。

演奏が終わって、お客様の盛大な拍手の中、お互いの演奏をたたえ合うように固く握手をする阪田さんとグロッソさん。見ている側も思わず暖かな気持に包まれました。

現在、ドイツで勉強をされている阪田さんは、もう3年目に入られたとのこと。阪田さんのソロ演奏で、R.シューマンの『子供の情景(作品15)』をお届けします。題名からすると子供のことを曲にしたように思われるかも知れませんが、大人が子供時代を回想した曲となります。全13曲から構成されています。

最後の曲となりました。阪田さんとセケラさんのピアノ連弾による、A.ドヴォジャークのスラブ舞曲集より「変ロ短調」、「ホ短調」、「ト短調」をお送りします。「聴いていて思わず踊り出したくなるような素晴らしい曲です(阪田さん)」。

阪田さん、セケラさん、グロッソさん、三人揃って皆様の拍手に応えます。一流の演奏家による音楽をたっぷりと堪能できました。お客様の拍手も鳴り止みません。皆さん、ありがとうございました。

国際音楽祭ヤングプラハを日本とチェコの両国にまたがって、リードしてくださっていますフィンダ志保子さんからのご挨拶です。「チェコ側の実行委員の方も全員揃って、この場で皆さんと一緒に楽しむことができて大変嬉しく思っております。ありがとうございます」。

弊社会長細田敏和から閉演のご挨拶です。「阪田さんの世界初演奏に皆さんが立ち会われましたことは、おそらく何年か経って大変な事だったんだなぁと感慨もひとしおになるのではないでしょうか」。「また、映画アマデウスで幼少期のモーツァルトを演じたセケラさんの当時と今を見比べて見るのも一興かなと思います」。2016年11月17日がきっと皆様の記憶に残る一日となることと思います。