第229回千代田チャリティ・コンサート

JAZZの魅力を味わい尽くす
ビートと鼓動のシンクロナイズ

コンサート当日は、秋の気配が日に日に感じられ、紅葉が待ち遠しい季節となってまいりました。朝晩の冷え込みがそれほどでもなく、秋の夜長に音楽を楽しむのに相応しい一日だったのではないでしょうか。

さて、今回は竹下宗男さん(ドラム)、上村洋平さん(ギター)、三浦穣さん(サックス)のトリオにより、ジャズのスタンダードナンバーを演奏していただきました。曲目は、皆さんどなたもご存知の名曲ばかりで、ジャズファンならずとも聞き覚えのある懐かしいものが中心でした。どんなきっかけでジャズの道に進まれたのか、メンバーの皆さんのお話しがありました。その中で印象に残ったのが、ロックはCDとライブの演奏があまり変わらないのに比べ、ジャズはアドリブが多く、音楽の自由さがあると思い、ジャズに転向したという上村さんのお話しでした。ジャズの真骨頂はアドリブであり、自由であり、それが音楽の本質かもしれないと頷いた次第です。

また、リーダーの竹下さんの洒脱、軽妙なMCでコンサート会場がとても和みました。加えて、もちろん本業のドラムも冴え、ドラムソロの部分はさすがに迫力がありました。三浦さんはサックスも上手く、さらにモデルもやっていたということもあり、女性には注目の的だったのではないでしょうか。

通常、ベースがあるジャズバンドですが、ギターの上村さんがベースも兼ね、上村さんがギターソロをやっているときは、サックスの三浦さんがベース部分を担当するという器用な編成での演奏でした。ベースがなくても自然にジャズ演奏として聞こえていた理由がわかって、お客様も納得されていました。

メンバーの皆さんが、有名人の誰かに似ているということもあり、キャラが立っていること、そして軽快なMCと素晴らしい演奏で、とにかく寛いで音楽を楽しむことができた2時間でした。竹下さん、上村さん、三浦さん、素敵な演奏と楽しい雰囲気をご提供いただき、ありがとうございました。

 フォトレポート

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229回コンサートのテーマは、「JAZZの魅力を味わい尽くす。ビートと鼓動のシンクロナイズ」。

最近、やっと秋を感じるようになってまいりました。一方で、もうすぐ一年が終わってしまうかと思うともの悲しい気持もいたします。今月は秋の夜長にぴったりで、久しぶりのジャズとなります。(司会者)

コンサートが始まりました。今夜はジャズのスタンダートナンバーをお届けします。1曲目は「A列車で行こう(デューク・エリントン)」。テナーサックスの三浦 穣さん。ギターの上村 洋平さん。そして、リーダーでドラムの竹下 宗男さんによる構成です。

ジャズとの出会いについて。竹下さんの場合、中学生のときにブラスバンドのドラムをやっていましたが、そのときに習った先生がジャズの大御所の方だったため、ジャズに進んだそうです。

三浦さんの場合、『ベースギターを高校生にときにやっていて、フュージョン系の音楽をやっていた。フュージョンをやっているミュージシャンが聴いていた音楽を遡っていくとジャズだった。そしてジャズを聴いているとサックスをやってみたいと思ってこの楽器になりました』。

上村さんの場合、はじめはロックで聖飢魔IIのファンだったそうです。ただ、ロックはCDとライブの演奏があまり変わらないのに比べ、ジャズはアドリブが多く、音楽の自由さがあると思い、ジャズに転向したそうです。

2曲目は「イパネマの娘(アントニオ・カルロス・ジョビン)」。続いて、3曲目はディズニーの曲をスイングのワルツで演奏する「星に願いを」。軽快な三拍子でまた違った趣のある曲になりました。

テナーサックス奏者ソニー・ロリンズの名曲で「セント・トーマス」。この曲のリズムは本来「カリプソ」というカリブ海のものですが、今回はサンバのリズムでの演奏となります。

あらためてメンバー紹介です。ギターの上村さんがラグビーの五郎丸に似ていると話題になりました。サンドウィッチマンの富澤たけしさんに似ているという声もチラホラ。

少し激しい曲だったので、次は優しい曲で「オーバー・ザ・レインボー(虹の彼方へ)」をお送りします。

一部最後の曲は、アート・ブレーキー&ザ・ジャズメッセンジャーズの名曲で「モーニン」です。この曲がはやった当時は、おそば屋さんもこの曲を口ずさみながら出前をしたという話しがあるくらい日本でも一世を風靡した曲です。

二部のスタートです。1曲目はナット・キング・コールの「ラブ」。これもまた知らぬ人はいないジャズのスタンダートナンバーです。

次はコンサートのディレクターさんからのリクエストで名曲中の名曲、「テイク・ファイブ」。5拍子の曲ですが、3と2で分けた拍子となります。分けないでそのまま続けるとお経のようになってしまうとか。竹下さんの解説に笑いが起きます。

五郎丸こと上村さんとイケメンの三浦さんのお二人をフィーチャーした曲で、これまた名曲の「スターダスト」。お客様から「おぉー!」という声と共に期待の拍手が巻き起こりました。

ボサノヴァでよく演奏される曲「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」。若いアーティストも色んな形でカバーしている名曲です。「月を想像しながら聞いてください(竹下さん)」。

竹下さんから今回のバンドの編成についてのご説明です。一般にはベースが入っていることが多いのですが、上村さんがギターとベースの二役を兼ねています。そして、上村さんがソロをやっているときは、サックスの三浦さんがベース部分をやっているという器用な編成です。

“「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」と言われても現実問題として月には連れて行けない、「そうだ!京都行こう!」”と軽妙なジョークで「マイ・フェイバリット・シングス」の曲を紹介する竹下さん

早くも最後の曲となってしまいました。「煙が目にしみる」、「イズント・シー・ラヴリー」、「マック・ザ・ナイフ」、これら3曲からお客様に選んでいただいた結果、演奏曲は「煙が目にしみる(Smoke Gets in Your Eyes)」となりました。

お客様の盛大な拍手に応えて、アンコールは名曲「枯葉」です。演奏後は感謝を込めて、花束贈呈。

弊社会長細田敏和より閉演のご挨拶。『きょうのご出演者はそれぞ誰かに似ているということでしたが、リーダーの竹下さんは古賀政男さんかアントニオ古賀に似ておられるとのこと。また、上村さんは五郎丸に確定しました(笑)』。ジャズの定番に、キャラの立った皆さん、そしてリーダー竹下さんの軽妙な司会進行で、とても楽しく音楽を楽しめた2時間でした。