第215回千代田チャリティ・コンサート

澄みわたる透明な歌声
ひと時の清涼感に誘(いざな)われるBossa Novaの世界

前の週に梅雨入り宣言があり、これから鬱陶しい季節が始まったばかり。今宵お集まりの皆様には、梅雨とは対極にありますブラジルの天候に思いを馳せていただき、一時とはいえ晴れ渡る青空のようなお気持ちになっていただけたかと思います。


今回、お招きしたのは山本真莉さん(ヴォーカル&ギター)、佐藤桃子さん(ヴァイオリン)のお二人のユニット、Serenata(セレナータ)です。第一部は有名なボサノヴァの曲を中心に、ブラジルを旅する趣向で、第二部は必ずしもボサノヴァのジャンルには入らないかもしれませんが、お二人のお好きなブラジルの素敵な曲をお届けするという構成でした。


ボサノヴァでヴァイオリンという珍しい組み合わせが新鮮で、ヴァイオリンが曲に奥行きと幅のあるイメージを与え、二つの楽器で演奏しているとは思えない豊かさを感じることができました。そして、山本さんの透明感のある声質がとてもボサノヴァにマッチして、皆さんウットリとして聴き入っておられるようでした。


また、山本さんは歌詞の内容を詳しく説明してくださるので、日頃おなじみのボサノヴァの名曲に対して再発見することができたのも楽しみの一つでした。演奏曲の中で、トロピカルな「ホワイトクリスマス」を聴くことができましたが、何とオフシーズンにクリスマスソングを聴くのが好きという弊社会長細田の趣味を満足させていただくというサプライズもあり楽しく、爽やかなひとときを過ごすことができました。
セレナータの皆様、ありがとうございました。


 フォトレポート

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第215回コンサートのテーマは、「澄みわたる透明な歌声。ひと時の清涼感に誘(いざな)われるBossa Novaの世界」。

蛍狩りにでかけた司会者。箱根では大湧谷の噴火警戒レベルが上がったため、ほとんど人がいなかったとか。日本各地で火山性活動が活発になっているようですね。

セレナータ、お二人の登場です。ギター/ヴォーカルの山本真莉さん、ヴァイオリンの佐藤桃子さん。「有名な曲を中心にブラジルを旅して頂く趣向で曲を選びました(山本さん)」。

オープニングは、「Só danço samba(ソ ダンソ サンバ)」。サンバの名曲で、「サンバが好きだからサンバしか踊らないのよ」と歌います。

2曲目は「Wave」。人の想いや愛も夢も、すべて大事なことは、心で見るものなのかもと歌っています。間奏部分で日本の唱歌「浜辺の歌」がヴァイオリンで演奏されました。

ブラジルに行ったときの印象を語る山本さん。緑が、海が、自然が、すべてが濃厚で、とても生命力が強く、それに引っ張られるように人間も元気な印象を受けたそうです。「元気のない人もブラジルに行けば、元気になりますよ」。

曲は「Samba do Avião(ジェット機のサンバ)」。飛行機がブラジルに帰ってきたとき、もうすぐリオの空港に到着する事を題材にしていて、あたかも実況中継しているかのような楽しい曲です。

さて、リオに到着したところで有名な所、コパカバーナ海岸の隣にあるイパネマ海岸へ向かいます。曲はアントニオ・カルロス・ジョビンの「イパネマの娘」。

イパネマ海岸に行った後の夜をイメージ。曲は「Corcovado(コルコヴァード)」。これもアントニオ・カルロス・ジョビン作。君と出会って幸せとはどんなことか分かった気がするというロマンティックな曲です。佐藤桃子さんのヴァイオリンが曲に豊かな彩りを加えています。

皆様のおなじみの曲で「Fly me to the moon」をボサノヴァにアレンジして気持ちよく歌います。

これもアントニオ・カルロス・ジョビンによる有名な曲で「Água de Beber(おいしい水)」。もしかしたら、あなたの命を奪ってしまうかもしれない愛の秘密を歌っています。

一部最後の曲です。ボサノヴァの初めの曲と言われている「Chega de Saudade (シェーガ ヂ サウダーヂ)」。失恋後に彼女が帰ってきたら、どんなに素晴らしいかと妄想を抱いてしまう歌です。

第二部開始です。第二部はセレナータのお二人が好きなラブソングを中心にお届けします。1曲目は「A felicidade(ア フェリシダーヂ)」。悲しみはなぜ終わりを知らないのだろうと歌います。

悲しみを歌った曲2曲目は、映画「黒いオルフェ」の主題歌となった「カーニバルの朝」。カーニバルの熱狂の中で出会った若い二人の悲恋の歌です。

「Samba da minha terra(サンバ ダ ミンャ テーハ)」、訳すと「僕たちのサンバ」という意味だそうです。サンバは音楽に止まらず、生き方さえも形作っているもの。「僕たちのサンバは皆を幸せにする」という曲です。

夏にホワイトクリスマスのポルトガルバージョンをお届けします。トロピカルな「Natal Branco(ホワイトクリスマス)」。梅雨時に聴くのも意外といいものですね。

「もし、この世界があなたのような輝く存在なら、人生はなんて素敵なものかしら」と歌う究極のラブソング。曲は「Se Todos Fossem Iguais A Vocé(スィ トードス フォッセン イグアイス ア ヴォセー)」。

この愛に身を投げましょうと歌うとても情熱的な曲。曲名も情熱的な「Escravo da alegria(歓びの奴隷)」です。

次は皆様よくご存知の「Mas que nada(マシュ ケ ナーダ)」。歌の中ででてくる「Oba(オバ)」という言葉は盛り上げるための合いの手のような言葉だそうです。

最後の曲となりました。古いサンバの曲で、人々に明るい希望を持たせるような歌「O sol nascerá(陽はまた昇る)」。

弊社より花束贈呈後、アンコール。セレナータのオリジナル曲で、「Azul(青)」。「皆様の明日が笑顔でありましように!(山本さん)」。思いを込めた日本語のオリジナルソングでとても素敵な曲でした。

弊社会長 細田敏和より閉演の挨拶。「ヴァイオリンも加わるボサノヴァは大変珍しくて良かったですね」。細田は秋の初めの頃など季節外れの時期に、クリスマスソングを聴く趣味があるとのことで、今回トロピカルなホワイトクリスマスが聴けて良かったとか。異なる時期に聴くことで、情緒が味わえるものなのですね。