第209回千代田チャリティ・コンサート

ケルトの響きに聞き惚れる
歴史と伝統に彩られた島々から

師走に入ってから北日本を中心に爆弾低気圧の影響で、各地で甚大な被害がもたらされました。爆弾低気圧という言葉さえあまりなじみがなく、皆様も驚かれたのではないでしょうか。被災された皆様には謹んでお見舞い申し上げます。
さて、今年も余すところあと2週間となった当日、本格的な寒さに怯むことなく、本年最後のコンサートに多くのお客様が足を運んでくださいました。


アイリッシュ・フルート、キーボード、チェロからなる異色のユニット「サールスベリーズ」の皆様をお招きし、アイルランド、イングランド、スコットランドの音楽をたっぷりと味わっていただきました。


アイリッシュ・フルートの須貝 知世さんによれば、アイルランドで日本の唱歌を聴かせると彼らの音楽に似ていると言われるそうです。わたしたちから見ても、アイリッシュ・フルートの音色は日本人の郷愁をかき立てるようなそんな懐かしい響きを感じます。キーボードの佐々木 実穂子さんは、キーボードの他にもコンサーティーナというアコーディオンの一種も演奏するなど、ユニット全体の演奏に幅をもたせ、また落ち着きのあるMCも印象的でした。文学にも造詣の深いチェリスト星 衛さんにより、演奏曲目が英国文学に登場する音楽という視点で構成されたりと、興味深い演奏展開を大いに楽しませていただきました。


「気持がゆったりとして、本当に寛ぐことができました(弊社会長細田 敏和)」。皆様も同様の感想を持たれたのではないでしょうか。


本年は弊社チャリティコンサートに多大なるご支援を賜り、誠にありがとうございました。新年も変わらぬご愛顧、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。よいお年をお迎えください。新年もまた元気にお目にかかりましょう!

 フォトレポート

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第209回コンサートのテーマは、「ケルトの響きに聞き惚れる。歴史と伝統に彩られた島々から」。

11月のコンサートではお休みでしたが、やはり、今年最後の締めはこの司会者でないと締まりません。心なしかビシッと気合いが入っています!

サールスベリーズの皆さんの登場です。「Aisling Gheal(Air)」、「Banish Misfortune - The Bluebells are Blooming (Jig)」の2曲続けてのオープニングとなりました。

アイリッシュ・フルートの須貝 知世さんからご挨拶。全員調布市にお住まいで調布市の市花がサルスベリであったことにちなんで、「サールスベリーズ」というユニット名がつけられました。一部はアイルランド、二部はスコットランド、イングランドの曲を中心にした構成となります。

アイルランドにはダンスの曲がたくさんあるそうです。3曲目もマーチという種類のダンス音楽です。ゆっくりめの曲で「The Clothiers March」。

にほんの唱歌をアイルランドの人に聴かせると、自分たちの音楽のようだといわれるそうです。次は日本の唱歌で「浜辺の歌」そして「Gallagher's Frolics - The Piper's Despair - The Conspiracy(Ji-Reel)」と2曲続きます。

須貝さんより日本ではなかなかお目にかかれないというアイリッシュ・フルートのご説明。クラシック・フルートの原型でもある木製のフルートで、アイルランド、スコットランド、フランスのブルターニュ地方、スペインのガリシアなどでよく使われているそうです。

盲目のハープ奏者オキャロランの曲で「Eleanor Plunkett(O'Carolan)」。オキャロランは200曲ほど有名な曲を残しており、アイルランドで最も有名な作曲です。

19世紀のアイルランドで多くの人々が犠牲になった「じゃがいも飢饉」があり、毎年追悼式が行われています。その追悼式で演奏されたハープ奏者マイケル・ルーニー作曲の「Na Maithe Mora(Menuet)」をお届けします。

1部最後の曲となります。アイルランドの曲でAirという種類のリズムのない曲「Easter」、そしてダンスの曲で「Snow - Mama's Pet - The Merry Days Of Easter(Air-Reel)」を2曲続けます。

二部開始です。ピアノ/キーボード担当の佐々木実穂子さんのMC。第二部はイングランドとスコットランドの曲をお届けします。

二部1曲目は、イングランドのHornpipeという力強いリズムを持ったダンスの曲「Chip and Rant - Northern Frisk - Charlesworth Hornpipe」。

チェロの星 衛さんは、チェロ以外にも文学に詳しく、作家の音楽表現をテーマに本も書かれているそうです。イギリスの文豪トマス・ハーディの作品の中には音楽がたくさん登場し、星さんはその描写された音楽を実際に探し当てているそうです。

文豪トマス・ハーディの作品「テス」の中に出てくる曲「Sweet Jeny Jones - The Tailor's Breeches (Thomas Hardy)」を演奏します。

佐々木さんより楽器コンサーティーナについてご説明。六角形のアコーディオンの仲間となる楽器で、イングランドやアイルランドでもよく使われているそうです。

須貝さんはティン・ホイッスルという縦笛も吹いています。イギリスで生まれてアイルランドに渡った楽器で、アイルランドでは小学生が日本のリコーダーのように吹いているとのこと。映画「タイタニック」でもティン・ホイッスルが使われていました。


スコットランドの有名な詩人ロバート・バーンズが詩を書いた「ドゥーン川の美しい岸辺で(Ye Banks and Braes)」。

アイルランドやスコットランドでは、とても海が荒いそうです。そんな荒々しい海野様子を伝える曲「Ship Set」。

18世紀後半のフィドル(ヴァイオリン)奏者Niel Gowが、亡くなった二人目の妻を思って作られた哀歌「Niel Gow's Lament」。

ハリーポッターの映画のワンシーンが浮かんでくるような楽しい曲「The Lads Of Alnwick - Berwick jockey - You've Been Long Away, Wee Willie Gray (Northumbrian Hornpipe)」。佐々木さんがキーボードでバグパイプ調の音を出して演奏します。

最後の曲「Well Hall - Jamaica - The Bishop of Chester's Jig - Cheshire Rounds(Playford)」の演奏後、弊社のサンタさん、トナカイ君達から花束贈呈です。

アンコールは皆様のおなじみの「Danny Boy」そして「Auld Lang Syne」。

弊社会長細田 敏和より閉会のご挨拶。「気持がゆったりとして、本当に寛ぐことができました。また、エジンバラに行ったとき現地の日常生活に溶け込んでいたバグパイプやダンスのことなども思い出すことができ、貴重な2時間を過ごすことができました」