第204回千代田チャリティ・コンサート

ようこそ『響き』の世界へ
クラシック・ギターが奏でる自然な音色に浸る

雲が広がったすっきりしないお天気、空気はじめっとした梅雨らしいコンサート当日。そんな不快さを爽やかに吹き飛ばす素敵なギターリストをお招きしました。


さまざまなコンクールでの優勝経験、留学、海外での演奏旅行など華々しい実績に裏打ちされた実力派ギターリスト、井上 仁一郎さん、山﨑 拓郎さんのお二人です。第一部は皆様おなじみの映画音楽でお二人のギターの世界にスマートに誘い、第二部はスペインの音楽でお二人の実力をとことん味わっていただきました。本来五重奏のものを二重奏に、悲しげな曲を軽快なルンバにアレンジするなど、井上さんのアレンジの妙が光る構成でした。


お二人の音楽を聴いていて、デュオの真価とも言うべき「構築美」を感じることができました。弊社会長細田が「情熱的な曲がさわやかに心の中に入ってきて、とても心地よく聴いていました。ギターに対するイメージが変わりました」と申しておりましたが、2つのギターという楽器の音色が、1つの音楽として聴く者の心に入ってくる。そこに一切の不自然さや無理がないということなのでしょう。お二人の演奏で、梅雨の鬱陶しさから解放された貴重な2時間でした。


まだまだ、もっと聴いていたいお二人のギター演奏でした。井上さん、山﨑さん、素敵な演奏をありがとうございました。

 フォトレポート

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第204回コンサートのテーマは、「ようこそ『響き』の世界へ。クラシック・ギターが奏でる自然な音色に浸る」。

ホタル狩りに行った司会者。弊社会長細田からもホタルにまつわる蘊蓄をご紹介。「桜が散って最初の雨が降った日から計算して、一日の平均気温積算が500℃になると、ホタルが出てくる」のだそうです。ひとつ賢くなりました。

オープニングは映画「ニューシネマパラダイス」から4曲。①ニュー・シネマ・パラダイス、②成長、③初恋、④愛のテーマ(エンリオ・モリコーネ)。「ギターの持つ優しい音色がこの映画のイメージにぴったり合っています」と井上仁一郎さん。映画のワンシーンをすぐに思い出せてくれるような優しい音色でした。

MC中の井上さん。2曲目はディズニー映画「アフリカ物語」で使われた曲で「ティコティコ(ゼキーニャ・デ・アブレウ)」。

MC中の山﨑 拓郎さん。この曲は日本よりも海外で有名な曲だそうですが、演奏が始まると皆さん聞いたことがあると頷かれていました。

続いて、映画「ピノキオ」から「星に願いを(リー・ハーライン)」。

井上さんのソロで2曲続きます。映画「ひまわり」の主題歌「ひまわり(ヘンリー・マンシーニ)」と映画「オズの魔法使い」の主題歌「オーバー・ザ・レインボー(ハロルド・アーレン)」。どなたもご存知のなじみ深い曲ですね。

今度は山﨑さんのソロでビートルズの曲を2曲。いずれもポール・マッカートニーの作曲です。「イエスタデイ」、そして「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」。この2曲目を聞いたジョン・レノンが、最高の曲だと褒め称えたそうです。

一部最後となりました。再びビートルズの曲を井上さんと山﨑さんのデュオでお届けします。曲は、これまたおなじみの「アクロス・ザ・ユニバース」、そして「フール・オン・ザ・ヒル」です。

二部はガラッとイメージを変えて、スペイン音楽の構成です。1曲目は、天才ギタリストのパコ・デ・ルシアと同じく名ギタリストのアル・ディ・メオラのデュオによる「地中海の舞踏」を井上さんと山﨑さんが演奏。熱のこもった演奏にお客様も大きな拍手を送りました。

激しい曲の後は、一息をいれてということで、井上さんのソロでスペインのカタルーニャ地方の民謡を4曲。①聖母の御子、②アメリアの遺言、③盗賊の歌、④鳥の歌。4曲目は、チェリストのカザルスが弾いて有名になった曲とのこと。

ギタリストなら誰もが弾かなければならない曲が「アルハンブラ宮殿の想い出」と井上さん。山﨑さんが普通に弾き、井上さんが飾りをつけて弾くのだそうです。また、井上さんがアルハンブラ宮殿に行かれたときは、噴水が修理中で残念な思いをされたとか。

お二人の息の合った緻密で素晴らしいデュオの後は、山﨑さんのソロで2曲をお届け。有名なアランフェス協奏曲の作者ホアキン・ロドリーゴの情景的な「小麦畑にて」、続いて20世紀を代表する作曲家フェデリコ・モンポウの「カンシオン」、これは元々はピアノの曲でした。

最後の曲は、本来五重奏のホアキン・ロドリーゴのアランフェス協奏曲を、ノリの良い形で二重奏にアレンジしてのお届けです。複雑に絡み合い、熱のこもった、そしてとても美しい演奏でした。

演奏後、お客様から大きな拍手が。お二人ともやったという満足が表情に表れていましたが、聞いているわたしたちもお二人の音楽に包まれたようで感動しました。

アンコールは、有名な「禁じられた遊び」を井上さんがルンバにアレンジして、がらっと軽快な雰囲気にかえての演奏です。まだまだ、もっと聞きたいお二人の演奏。ギターに酔わせていただいた2時間でした。

弊社会長細田敏和よりご挨拶。「情熱的な曲がさわやかに心の中に入ってきて、とても心地よく聴いていました。ギターに対するイメージが変わりました」とのこと。細田同様、お客様もさわやかなお気持ちで帰途に就かれたのではないでしょうか。井上さん、山﨑さん、ありがとうございました。