第208回千代田チャリティ・コンサート

今、音楽が溢れ出す
秋の一夜をミューズと共に過ごす

皆様は紅葉を充分に楽しまれたでしょうか? コンサート当日はお天気に恵まれましたが、そろそろ冬の足取りを感ずる季節となりました。もう来月は師走、一年を締めくくる前に皆様に素敵な音楽でくつろいでいただきます。


今宵はピアノの稲葉瑠奈さん、フルートの大塚茜さんをお招きして、ドビュッシー、ラヴェルなどフランスの作曲家を中心にした演奏を行っていただきました。第一部はソロ、第二部はデュオによる演奏構成です。
大塚茜さんのピアノとフルートの同時演奏などもあり、皆さん驚かれつつもピアノとフルートの演奏に酔いしれたコンサートとなりました。
さまざまな楽器において、それぞれが「最も人間の声に近い」と言われていますが、フルートもそのまま息遣いのでる楽器ですので、これまた真理なのかとも思いました。そんな息遣いを感ずる音楽は、やはりライブに限ると実感いたしました。


稲葉さんのピアノと大塚さんのフルート、お二人の紡ぎ出す音色に本格的な冬の到来を前にホッと心温まる時を過ごせたのではないでしょうか。素敵な演奏をありがとうございました。

 フォトレポート

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第208回コンサートのテーマは、「今、音楽が溢れ出す。秋の一夜をミューズと共に過ごす」。

今回、いつもの司会者は仕事でお休みをいただいております。代わりの司会が進行を務めさせていただきます。

ピアノの稲葉瑠奈さんとフルートの大塚茜さん登場。オープニングは、皆様おなじみのドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」。

皆様へごあいさつ。コンサート第一部は、稲葉さん、大塚さんのソロをメインに、第二部はお二人のデュオによる構成です。フランスの作曲家を中心にした曲目となります。

ラヴェル作曲「亡き王女のためのパヴァーヌ」。

次はフルートのソロで、ドビュッシー作「シランクス」。大塚さんが曲の由来となったギリシャ神話のお話しもご紹介。フルートのために書かれた曲です。

アメリカのフルーティスト兼作曲家ゲーリー・ショッカーさんの来日コンサートをみて、大塚さんが驚いたというピアノを弾きながらフルートを吹くという高難度の演奏に挑戦します。アンビデクストラナータより、第一楽章と第二楽章(ちょっと悲しいワルツ)。

大塚さんの演奏について、「何より片手でフルートを支えるのが大変です。大塚さんだからこそできる演奏です。手はわたしより大きいんですよ」と稲葉さん。

ここからは稲葉さんのピアノソロが2曲続きます。曲はドビュッシーの「2つのアラベスク」。“アラベスク”はアラビアの唐草模様のことで、この曲には華やかな装飾音や分散和音の多いのだそうです。

リストがピアノのために書いた「ハンガリアンラプソディー」。「初めはシリアスな感じで、打って変わって楽しく軽快になる曲で、様々な技術が盛り込まれているとても華やかな曲です(稲葉さん)」。これで一部が終了となります。

二部開始です。冒頭でお二人のCDについてのお話がありました。大塚さんのCD『Garance*茜色*』のジャケット同じドレスを今日はお召しになっています。CDに収録されている「香りの組曲」から1曲演奏があります。

稲葉さんのすべてオリジナルからなるCD「Blue Moon」のご紹介。稲葉さんはピアニスト以外にも作曲家としても活動をされています。フルート用の組曲も4曲あり、すべて大塚さんに演奏してもらっているとのこと。二部はデュオ構成です。

大塚さんのアルバム『Garance*茜色*』に収録の「香りの組曲」から「ラベンダー」の演奏です。

稲葉さんのアルバム『Blue Moon』に収録のフルート用組曲「Four Seasons」から「Autumn」の演奏です。

ガブリエル・フォーレ作曲の「ドリー組曲」。この曲はフォーレが知人女性の子ドリーのために作ったもので、実はフォーレの子供ではないかとの説もあるとか。また、ドリーは後年ドビュッシーの妻となります。

「ドリー組曲」は元々ピアノの連弾の曲なのですが、ピアノとフルートのデュオでの演奏でした。素晴らしいお二人の演奏に大きな拍手が!「結構疲れる曲でした!(大塚さん)」。


早くも最後の曲となってしまいました。セシル・シャミナードの小品で「コンチェルテイーノ」。本来はオーケストラの編成だったそうですが、現在ではピアノとフルートのデュオで演奏されることが多いそうです。

お客様の熱く盛大な拍手に応えてのアンコール!曲は、「シェルブールの雨傘」。フルートは、甘く切ない情感を伝えるのにぴったりですね。どなたもご存知の名曲だけに皆様聴き入っていました。

アンコールは2曲目(ミツバチ)もありました。弊社より花束贈呈があり、ホッとされるお二人。素晴らしい演奏をありがとうございました!

弊社会長細田敏和より皆様へ閉会のごあいさつ。「美しい方が、美しい音楽を演奏するといいですね!」とのこと。男性諸氏の、否(笑)、すべてのお客様の気持ちを代弁しているようなコメントでした。