第186回千代田チャリティ・コンサート

ほっこりと、ゆったりと
心揺さぶる至極の歌声

紅葉もピークを過ぎ、晩秋と言うより初冬の趣となってまいりました。今宵のコンサートは寒さが徐々に増してくるなか、ほっこりと暖かくなっていただこうと、バリトン歌手の崔宗宝(サイ・ソウホウ)さんをお迎え致しました。崔さんには以前にもご出演いただいており、ファンの方も大勢ご来場頂いたことと思います。


一部は長めに時間をとって、日本の歌、中国の歌、第二部はイタリアのカンツォーネやオペラを中心にご披露してくださいました。まず、なにより驚かされたのが、マイクを必要としないその圧倒的な声量です。これは天賦の才能ですね。その才能は来日二十年のなかで、日本の言葉を勉強され、日本の歌の心を理解しと努力を続けられてきたために、さらに美しく磨きがかかっていると思いました。


日本では中国の歌を歌い、中国では日本の歌を歌うように心がけておられるとのことで、両国の架け橋として活動をされています。MCもお客様へのサービス精神が旺盛で、曲の解説と合わせて音楽にかけるご自身の想いを語る姿が印象的でした。


弊社社長細田が「崔さんはまじめな性格で素晴らしいお人柄の方です」と申しておりましたが、歌のうまさに加えてそのような点が感ぜられたのもコンサートならではの醍醐味ではないでしょうか。
タイトル通り、崔さんの至極の歌声で「ほっこり、ゆったり」となったコンサートでした。崔さん、ありがとうございました。

 フォトレポート

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第186回コンサートのテーマは、「ほっこりと、ゆったりと。心揺さぶる至極の歌声

以前にも当コンサートにご出演いただいた崔宗宝(サイ・ソウホウ)さん、前回は「オペラの出前」と題しまして素敵なコンサートとなりました。今回も存分にお楽しみくださいと司会者よりご挨拶。司会者本人はプライベートでも仕事でも天候に恵まれなかったとか。

バリトン歌手の崔宗宝(サイ・ソウホウ)さんより冒頭のご挨拶。「このホールは歌いたくなるような響きの良いホールです。先日、サントリーホールで満席となり本日もまた満席になりとてもうれしいです。」

オープニングは三好達治作詞による組曲。固い歌を初めに歌いますとのこと。マイクを必要としない崔さんの声量にお客様も大変驚かれていたようです。

ヴェルレーヌ作詞、橋本国彦作曲の「落ち葉」。崔さんによれば、「むしろピアノの難しい曲」だそうです。

三好達治作詞、中田喜直作曲の「木菟(みみずく)」。重い曲だそうです。コンサートではあまり歌われず、コンクールでよく歌われる曲とのこと。言葉の意味を深く理解しないと難しいので、外国人はコンクールにはあまり参加しないのだそうです。

「日本の歌曲は、発散するタイプのオペラと違って、抑えて歌うので難しい」。作曲家の小林秀雄氏に直接崔さんが教わったという「落葉松(からまつ)」を歌います。

北見志保子作詞、平井康三郎作曲の「九十九里浜」。この曲はピアノも大変素晴らしい曲ですと崔さんからご紹介がありました。

中国の歌曲が続きます。ウイグルの歌で「燕の子」、日本版とは少しメロディーが異なる内モンゴルの歌で「草原情歌」、ウイグルの歌で「アラムハン」。日本にいるときは中国の歌を、中国にいるときは日本の歌を歌うようにして互いの交流を図っていると崔さん。

一部最後の曲、「万里の長城」。崔さんはお母様から、どこに行っても万里の長城のことは忘れないでと言われたそうです。情感豊かに歌い上げています。

第二部開始。渡辺 貴志子さんがピアノを演奏する中、歌いながら崔さんの登場です。歌はビゼーのオペラ「カルメン」。

カルメンの歌の最中に、いきなり牛に扮した司会者が登場。崔さんが闘牛士になりコミカルな闘牛ショーとなりました。会場は爆笑の渦!愉快な演出にみなさん大喜びでした。


中国のオペラ「揚子江の暴風雨」。やはりイタリア語の響きが良いとオペラ「フィガロの結婚」と迫力ある歌が続きます。

クリスマスまで1ヶ月、クリスマスっぽい歌ということで「アメージング・グレイス」を。お客様からは期待の「おぉ〜」という声が。その期待を裏切らない素晴らしい歌でした。

二部最後の曲はイタリアのカンツォーネ「マンマ」。崔さんのお母様と同じ年齢の女性のために用意された曲とのこと。

弊社より花束贈呈の後、アンコール。崔さん自らがピアノの弾き語りで日本の曲「赤とんぼ」、イタリアのカンツォーネで「カタリカタリ」と2曲続きます。

宮沢賢治の詩に曲をつけたオリジナル曲で「雨にも負けず」。途中で歌詞に躓くというアクシデントがありましたが、見事に熱く歌いきりました。

前の歌でミスったためご自身への罰を課し、さらに2曲歌いますとのこと。まじめな方です。曲は「千の風になって」、そしてカンツォーネ「オーソレミオ」。お客様も圧倒的な声量と魅力的な歌声を、存分に味わうことができました。崔さん、ありがとうございました。

弊社社長細田敏和よりご挨拶。「歌はうまいのはもちろんですが、崔さんはとてもまじまで素晴らしいお人柄の方です。お客様も、崔さんの歌でほっこり、あたたかくなった、その気持ちでお帰りください」。