第183回千代田チャリティ・コンサート

情熱の国「スペイン」に思いを馳せて
熱きフラメンコの夕べ

梅雨明け宣言があり、いよいよ本格的な夏が到来します。暑い夏を乗り切るために、本日は皆様に「熱きフラメンコ」でエネルギーを補給し楽しんでいただくために、3名のアーティストをお迎えしました。


本来ギターで演奏するフラメンコをピアノで果敢に挑戦する安藤紀子さん、17歳よりプロとして活躍する超絶技巧のギタリスト高木潤一さん、そして全国各地で幅広い活動を行っている舞踏家の高関テラさん、3名の皆さんによるフラメンコをお楽しみいただきました。


スペイン、アンダルシア地方のジプシーが生んだとされるフラメンコ、人々の生活や人生に深く根ざした魂の叫びを感じるような音楽と踊りでした。激しいだけではなく、ゆったりとして、また明るく軽快な音楽もあり、人間の喜怒哀楽を素直に表現しているものがフラメンコなのではないかと思いました。


ピアノの安藤紀子さんが、「日本が世界に誇る名曲・桜」を儚いストーリーとして捉え、フラメンコアレンジで演奏されたのはとても挑戦的で新鮮でした。また、高木さんのギターの超絶技巧は聴いている者の心にとてもインパクト与え感動させるものでした。そして、フラメンコと言えば、踊り。高関テラさんの踊りは、豊かな感情を、緩急を自在にコントロールする動きで表現。音楽と一体となって、観る者の視線を釘付けにしました。


弊社コンサートでは珍しく、踊りも加わった当夜のフラメンコ、お客様には充分ご堪能いただけたのではないでしょうか。来月はいったんお休みをいただき、また9月に皆様と元気にお会いしたいと思います。ありがとうございました。

 フォトレポート

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第183回コンサートのテーマは、「情熱の国「スペイン」に思いを馳せて。熱きフラメンコの夕べ」。

十数年前に弊社にてフラメンコが紹介されたことがあり、それ以来となります。司会者より、フラメンコの成立、普及などについて歴史的経緯を踏まえた詳しい説明がありました。

オープニング。曲は「Orobroy〜想い〜(ブレリア)」。スペイン、アンダルシア地方のジプシーの想い(Orobroy)を軽快なリズムで表現します。安藤紀子さん(ピアノ)が手を叩き、床を踏み、まるで見えないダンサーが踊っているかのようなリズムをとっていました。

安藤紀子さん「ピアノでフラメンコに挑戦します」。ソロで「Tranta de Aranjuez(タランタ)」を演奏。タランタはフラメンコの一形式で、鉱山で働く人々の命を支える曲とのこと。スペインでなじみのある「アランフェス協奏曲」のメロディでのアレンジです。フラメンコらしい激しいイメージです。

3曲目は「Sevillarnas(セビジャーナス)」。スペイン、セビージャの春祭りで必ず踊られる曲。フラメンコダンサー高関テラさんの登場です。踊りはもちろんですが、カスタネットのリズムが実に心地よい。

曲は「Garrotin(ガロティン)」。アストゥーリ地方の民謡を起源とする明るく小粋な深い気のある舞曲です。緩急のある踊りで、ゆっくりしたときは黒い帽子を手に取り踊り、アップテンポのときは足で激しくリズムを取ります。

一部最後の曲はメドレーで「ベサ・メ・ムーチョ、禁じられた遊び、コーヒールンバ」と続きます。ダンサーの高関さんも手拍子とかけ声で参加します。ギターの高木潤一さんのスーパーテクが炸裂します。ギターが聴かせます!

第二部のスタート。曲は「Farruca(ファルーカ)」。闘牛士をイメージした曲で戦う前の孤独感、戦場に赴く闘争心を表現します。高関さんも衣装を替えて踊ります。ステップが気持ちよいリズムを刻みます。

わたしたち日本人が世界に誇れる名曲「桜」をフラメンコ風にアレンジしてみたらどうなるか、花が一輪咲き満開になり、やがて散るまでの儚さをイメージしたそうです。安藤紀子さんのピアノがドラマティックな桜を奏でます。

心に染みる名曲「黒いオルフェ」を高木潤一さんのギターソロで。哀愁と情熱の心を高木さんの超絶技巧で聴かせます。もう、言うことなしです。

ヨーヨーマのチェロでおなじみのアストル・ピアソラ作曲のタンゴ「Libertango(タンゴ〜タンゴス)」。アルゼンチンタンゴからフラメンコのタンゴスというリズムに変化します。


二部最後の曲となりました。フラメンコ曲で「Alegrias(アレグリアス)」。アレグリアスとは喜びを意味する言葉で、言葉通り明るく楽しく、魅力溢れる舞曲です。高関さんが、ラストにまたきれいな衣装に替えて踊ってくださいました。

弊社より花束贈呈。お客様の大きな拍手のなか、挨拶をされるピアノの安藤紀子さん。

アンコールは高木潤一さんのカンテ(歌)。高関テラさんの踊りも途中から加わり、また会場のお客様全員による手拍子もあり、楽しく賑やかなうちに閉幕となりました。皆さん、素敵なフラメンコをありがとうございました。

弊社社長細田より締めのご挨拶。「歯切れがよくて元気が沸いてきた!」とのこと。梅雨明けし夏がいよいよ本番となります。毎年8月のコンサートはお休みです。皆様、お体にはご自愛いただき、また9月に元気にお目に掛かりましょう!ご支援、ありがとうございました。