第179回千代田チャリティ・コンサート

耽美な世界に誘(いざな)う今宵のリズム
享楽の輝きに照らされるボサノヴァの夕べ

春めいてきたもののまだまだ肌寒い日が続いてる当日、本チャリティコンサートで初めてのブラジル音楽の登場です。本場リオでの活動歴を含め、25年間ブラジル音楽を歌い続けてきた日本を代表するヴォーカルの前田優子さん、そしてブラジリアンギター奏法に精通しエフェクターを使った独自のスタイルで評価の高いギタリスト助川太郎さんのお二人をお迎えいたしました。


司会者がブラジル音楽は実はひとつの固定的なイメージで捉えられるものではなく、さまざまな民族の伝統と文化から生み出されたもので、とても多様性のあるものと言っておりましたが、前田さん、助川さんの表現するブラジル音楽もその言葉通りの豊かな多様性に富んだものでした。


とはいえ、もちろんそんな堅苦しいものではなく、弊社社長細田がいみじくも述べた感想のように「ムードがあって」、「ロマンチックで」、「楽しく」そして「奥深い」ものだったように思えます。前田さんの表現力のある歌とそれをサポートする助川さんのギターが見事に融合して、ひとつのブラジル音楽の世界をわたしたちに伝えてくれたように思います。


お客様にも「ムードがあって、ロマンチックで、楽しく、奥深い」ブラジル音楽を堪能して頂けたのではないでしょうか。また、機会がありましたら是非コンサートで味わいたい音楽でした。

 フォトレポート

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第179回コンサートのテーマは、「耽美な世界に誘う今宵のリズム。享楽の輝きに照らされるボサノヴァの夕べ」。

本日のブラジル音楽について丁寧に説明。ひとつのイメージでくくられるものではないため、敢えてコスプレはしなかったと弁明する司会者。次回に期待です。

前田優子さん登場。ご挨拶の後、オープニングはボサノバが登場して最初のヒット曲となった「Chega de Sandade(邦題:想いあふれて)」を助川太郎さんのやさしいギターの音色と共に。

世界で最も聞かれる曲、第一位がビートルズの「Yesterday」、第二位が「Gavota de Ipanema(イパネマの娘)」。第二位の曲を歌います。第二位がボサノバだったとは興味深いですね。

ボサノバを作ったアントニオ・カルロス・ジョビンの作曲による「Samba de Verão」。心地よい曲です。

ギター演奏の助川太郎さん。一本のギターから実に多彩な音色を出します。複数の楽器をこなしているような印象を受けます。

曲は「Aqua de Beber(おいしい水)」。ブラジル66のヒット曲だが作曲したのはアントニオ・カルロス・ジョビンと言われているそうです。前田さんの歌と助川さんのギターが本当によく融合している。

「Vivo Sonhando(夢見る人生)」を謳う前田さん。25年ブラジル音楽を歌ってきた原点であるボサノバにリスペクトして、1月28日にアルバム「ENCONTRO(出会い)」を出されました。

曲は「Meditação(瞑想)」。これもアントニオ・カルロス・ジョビンの曲。アントニオの2代目、3代目に当たる人々が活躍し始めているとのこと。助川さんのギターがハーブのようです。

前半最後の曲は、「Samba do Soho」。助川さんのギターがドラムの音を兼ねるなど、多彩な音色が奏でられます。お客様もギターの音色に驚かれていました。

司会者がブラジル音楽は様々な民族の文化と伝統が混ざり合ってできた音楽なのでジャンルも実に様々だと言っておりました。その多様さが魅力なのかもしれません。後半の一曲目は「Desafinado(オンチの歌)」。ユニークな曲です。


「A Rã (カエル)」の曲で珍しい口琴と呼ばれる楽器を演奏した助川さん。身も乗り出して興味津々なお客様にお応えしてご説明。耽溺するものが続出し江戸時代には禁止になったなど愉快な話にお客様も大笑いでした。4年に一度世界大会もあるそうです。

プレハブ住宅という意味の「Casa Pre-Fabricada」。歌の内容は女性を口説く歌で、哀しみは二度とやってこないと歌います。ギターの間奏が心地よい。

「Traição (裏切り)」。ちょっとヘビーな曲という前田さんの解説でしたが、曲自体の雰囲気はとてもまったりとしたものでした。

「Certas Canções(ある歌)」− 本当に素晴らしい曲というものは痛みなく魂を切り裂くものだという歌詞に魅せられたと前田さん。


ボサノバでもサンバでもない庶民の歌で「Romaria」、聖地巡礼の歌です。「わたしに残っているのは真実を見てきたこの眼だけ、この眼を捧げるから暮らしを豊かにしてください」と歌います。

最後の曲は住友紀人作曲、作詞前田さんによるオリジナル曲で「Casa」。映画「沈まぬ太陽」で使われた曲です。たとえどんな事が起きても、第三の心の眼を持てば怖くはない、そんな意味を込めた歌だそうです。迫力のギターも圧巻です。


アンコールは「No Tabuleiro da Baiana」。軽快リズムのサンバにお客様も終始手拍子で応えます。当コンサートでは初めてのブラジル音楽を十分楽しんでいただけたようです。

弊社社長細田よりご挨拶。「ブラジル音楽はどんなものだろうかと思っていたら、すごくムードがあってロマンチックで奥深いものが窺えました、ポルトガル語の歌詞はわかりませんが、とても楽しい音楽でした」。皆様4月にまた元気にお目にかかりましょう!