第169回千代田チャリティ・コンサート

イマジネーションに遊ぶたったひとりのオーケストラ。
エレクトーンで挑む芸術の域。

本年最後のコンサートとなった今宵は、電子楽器の常識を覆したエレクトーン演奏の第一人者、神田将(カンダ ユキ)さんをお招きしました。映画音楽と映画音楽に使われたクラシックを中心に演奏をしていただきました。


「凄い!凄い!」。お客様の抱いたこれ以上言葉にできない素直な感想です。まさに常識が覆された神田さんの演奏。「たった一人のフルオーケストラ」とはこのことだったのかとあらためて実感した次第です。
目を閉じればそこには壮大なオーケストラがいるとしか思えないような演奏、皆さん衝撃と感動を覚えて酔いしれていました。


「作品の素晴らしさを正しく伝えることを使命と考えている」と仰る神田さん、全精力をかけた音楽への取り組みと情熱が聴く者を捉えて放しません。これだけの演奏ができるエレクトーンの素晴らしさがもっと多くの人々に伝わって欲しいと思いました。同時に神田さんの素晴らしい演奏を味わったお客様はとても幸運だったのではないでしょうか。


一年を締めくくるアンカーとして、「ワンマンズ・オーケストラ」として壮大な音楽を演奏してくださった神田さんに感謝いたします。

 フォトレポート

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第169回コンサートのテーマは、「イマジネーションに遊ぶたったひとりのオーケストラ。エレクトーンで挑む芸術の域」。

毎年恒例ですが、スタッフもサンタに扮して頑張っています。サンタの衣装が似合いすぎる司会者(右)。

風邪から回復した弊社社長細田より皆様にご挨拶。「きょうのコンサートで、年の瀬の慌ただしさから、しばし解放されてお楽しみいただければ幸いです」

一瞬にして度肝を抜かれる壮大なオープニング。まるでフルオーケストラのような演奏に、皆さんとても驚かれていました。曲は、サウンド・オブ・ミュージック、ドレミの歌、わたしのお気に入り、もうすぐ16歳、すべての山に登れ、交響楽のようです。

オープニング曲のあと、割れんばかりの大拍手、声援のあとの神田将(カンダユキ)さん。ふだんはクラシックを演奏されますが、今回は映画音楽を中心にとのことです。滑舌にも優れ、淀みのない詳しい解説をされます。

映画音楽シリーズの第一弾は、「風と共に去りぬ」の「タラのテーマ」です。2曲目はニューシネマ・パラダイスのテーマソング。心に染みる名曲です。まるで映画で流れるフルオーケストラを聴いているようです。

皆さんのために、1曲1曲を実に丁寧に解説してくださる神田さん。その分、お客様も曲に対する理解が深まり、より演奏の素晴らしさを楽しめるようになります。

「天空の城ラピュタ」、「ラストエンペラーのテーマ」を演奏する神田さん。作品の良さを正しく伝えることをご自身の使命と考えていると、エレクトーンに対する熱く深い想いも語ってくださいました。天空の城ラピュタは、子供向けの曲だが演奏するご自身の魂が熱くなったとか。


第一部のエンディングは、「オペラ座の怪人」です。「愛を感じさせるメロディーをたくさんちりばめて演奏します」と神田さん。目を閉じれば、そこには大オーケストラが演奏しているとしか思えない迫力ある演奏がある - みなさんが一様に抱いた感想です。

第二部のオープニングは、映画「2001年宇宙の旅」のテーマで実はリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」。オーケストラでなく、神田さん一人の演奏でこの壮大な音楽を聴けるのは何とも贅沢な気分です。

2曲目の「愛と哀しみのボレロ」を1/3程度の長さで演奏のあと、エレクトーンの楽器の説明をする神田さん。通常の楽器よりとても複雑そうです。わたしたちのエレクトーンに対する単純な理解を根底から覆されました。


哀愁を含んだギターとオーケストラの協奏曲で「シバの女王のテーマ」。エレクトーンでギターなどの弦楽器の音まで出せるんですね。結局、あらゆる音が出せるということでしょうか。

演奏の合間に、曲の解説と音楽への想いを語る神田さん。エレクトーンで演奏することについて、「自分が指揮者であり、オーケストラであり、それぞれの楽器のソリストであり、とても気持ちが良い」とのこと。

映画「マンハッタン」からガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」。映画のワンシーンがイメージされます。続いて、美しい旋律と冷酷なシーンのコントラストが印象的な、ゴッドファーザーPart3で流れる「カバレリア・ルスティカーナ」の間奏曲です。

最後の曲は、映画「ダイ・ハード2」で使われたシベリウスの「フィンラディア」。フィンランドの国宝とも言える曲で、エレクトーンで演奏することを許可されているのは、なんと神田さん唯一人だそうです。

弊社のサンタ君より花束の贈呈を受けた神田さん。素晴らしい演奏をした充実感に満ちた笑顔と花束、絵になっています。

アンコールは普段は絶対に弾かないというクリスマスの曲「ホワイト・クリスマス」を演奏して下さいました。もう二度と弾くことはないでしょうとのことです。得した気分です。もっと、ずっと聴いていたい贅沢な「ホワイト・クリスマス」でした。