第156回千代田チャリティ・コンサート

頬に優しい風が吹く季節に・・・

ふたりの天使が舞い降りる


秋が深まりつつある今夜は、デュオ・ヴァイオリンの魅力を存分に味わって頂くため、大変仲の良いお二人、ヴァイオリニストの川城千秋さんと大塚杏奈さんをお迎えしました。
エルガーや世界の民謡といった皆さんおなじみの曲も大変素晴らしかったのですが、二台のヴァイオリンのために書かれたモーツァルトやバルトークそしてハイドンの曲を皆さん熱心に聴き入っておられました。
演奏の合間に、ご自身が留学されていたときのお話しも交えて、丁寧に曲の解説をしてくださるなど、皆さんに楽しんでいただこうとする優しい気持ちが伝わりました。
『ヴァイオリンの素晴らしさを、あらためて再発見させてもらえた』-そんな素晴らしいひとときとなりました。


 フォトレポート

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今回のコンサートのテーマは、「頬に優しい風が吹く季節に・・・。ふたりの天使が舞い降りる。」です。

「ふたりの天使が舞い降りる」というタイトルに合わせ、司会者が三人目のお茶目な天使として登場。アイデアの止まる所を知らないコスチュームプレイを、実はお客様も毎回楽しみにされています。

弊社細田社長より、司会者について「何をしでかすかわからない...」と愉快なコメント。また、バイオリンにはふさわしい季節になりましたので皆様も十分楽しんでくださいとの挨拶がありました。

今回はヴァイオリンデュオでのコンサートです。川城千秋さん(左)と大塚杏奈さん(右)の登場です。メンデルスゾーン、モーツァルト、ビバルディ、ハイドンなどを演奏してくださいます。

皆様おなじみのElgar「愛の挨拶」でスタート。大塚杏奈さんがベルリンに留学している間も川城千秋さんとコンタクトを取られていたそうで、とても仲の良いお二人です。「愛の挨拶」はElgarが妻のために書いた曲とのことです。

2曲目は千秋さんが子どもの頃、母の車の中にあった名曲アルバムに納められていたのでよく聴いていたというMendelssohnの「歌の翼に」を演奏。3曲目はオペラで、Mascagniの間奏曲。杏奈さんによれば、ベルリンに留学しているとき、日本にくらべ本当に気軽にオペラが聴けたそうです。

続いて世界の民謡特集で、アイリッシュフォークソング、Amazing Grace、老人ホームなどでも演奏されるという日本の「ふるさと」を演奏。前半の最後は本来ピアノのために書かれたモーツァルトの「きらきら星変奏曲」でした。

千秋さんによるMozartの「鏡」についての説明です。1つの譜面を上下どちらからも読むことができるもので、譜面台を平らにしてお二人が向かい合って演奏するとのことです。それで二重奏になってしまう!Mozartはまさに天才ですね。


Mozartの「鏡」を演奏中のお二人。確かに1つの譜面を上下から読んで演奏しています。もちろん、演奏はヴァイオリン二重奏の素晴らしいものでした。

Mozartから一転して、Bartokが2台のヴァイオリンのために書いた二重奏曲集よりNr.37を演奏。

Vivladi四季より「秋」の第一楽章。役割分担としては、千秋さんがプリンシパルとしてソロの部分、杏奈さんがセカンドおよびチェロの部分を担当して演奏されました。この演奏ために楽譜を切り貼りするなどご苦労されたようです。2台のヴァイオリンからいくつもの楽器から生まれたような重層的な音が生まれていてとても素晴らしい。

次は正真正銘、2台のヴァイオリンのために書かれた曲。四重奏の父と言われ、モーツァルトにも影響を与えたHaydnのTrios Duos op.99から1番と3番の演奏です。

アンコールは、暖かい感じで終わりたいとのことで、Vivaldiの四季より「冬」を演奏してくださいました。まだ、10月でしたが皆さんお二人の素晴らしい演奏で「暖かい気持ち」になられたと思います。ありがとうございました。