第151回千代田チャリティ・コンサート

神様がくれた贈り物

ニューヨークの風に乗って


2005年のカーネギー・ワイルホールでのリサイタルでは、超満員の観衆に熱狂的なスタンディングオベーションを受けた田中友樹子さんによるピアノ演奏が行われました。
アメリカ、カナダ、スペイン、日本とワールドワイドに活躍中の田中さん。バッハ、ショパン、リスト、さらに情熱のスペイン音楽と盛りだくさんの演奏に皆さんが酔いしれていました。

 フォトレポート

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今回のコンサートのテーマは、「神様がくれた贈り物。ニューヨークの風に乗って」。

細田社長より冒頭のご挨拶。田中友樹子さんは、華麗なご経歴にも関わらず、お会いしたら可愛らしい方ですと期待感を盛り上げるコメント。

田中友樹子さんより、ご挨拶とともにこれから演奏する曲についての解説がありました。曲の作られた当時のこと、作曲家の心境、曲の内容などについて、情景が浮かぶようでとても絵画的でした。

1曲目は有名な「きらきら星変奏曲 ハ長調K.265」。モーツァルトがヨーロッパ各地を旅して回ったときに作ったとてもかわいらしい曲。フランスではいわば歌謡曲のようなものとのこと。

続けて「ソナタ11番イ長調 K.331」の3楽章、アンダンテ・グラティオーソ、メヌエット、そして打楽器の要素を取り入れた有名なアレグレット「トルコ行進曲」を演奏。

わかりやすい解説をしてくださいました。リストは、バイオリンの鬼神パガニーニに影響を受け、ピアノのパガニーニになろうと超絶技巧を編み出したそうです。60歳のときに娘さんを亡くしてからは、宗教的な曲が多くなったとか。

無償の愛をうたった「愛の夢 第3番」、パガニーニの練習曲「ラ・カンパネラ」を続けて演奏。

第二部が始まります。第二部は心癒されるゴスペル、そしてスペイン音楽です。アメージング・グレースを作詞したジョン・ニュートンの魂の変遷にまで言及した解説がありました。

アメージング・グレース、マイ・ラブ、主の祈りとゴスペルサウンドが続きます。田中さんの演奏に、聴き入る皆さんの心も癒されたのではないでしょうか。

今度はスペイン音楽です。スペイン組曲より、グラナダ、アストゥリアス、アラゴン。特にアストゥリアスはフラメンコギターを聴いているようなパワフルな演奏でした。また、ゴヤの絵から連想して作られた曲なども演奏されました。

アンコールはテクラ・バダジェフスカの「乙女の祈り」。演奏が素晴らしいことはもちろん、田中友樹子さんの情景が浮かぶような、また作曲家の心にまで踏み込んだ丁寧な解説も印象的でした。