次回 第234回千代田チャリティ・コンサートのお知らせ
哀愁と情熱の狭間で
三味の音の奥に秘められた切なる思い
拝啓 三寒四温とはよく言ったもので、ここ最近の気温の上がり下がりの激しさはまさにこれを具現しています。さらに追い打ちをかけるようにスギ花粉、そしてヒノキ花粉の季節がやってきました。私もここ数年、春先になるとひどい花粉症に悩まされるようになり、寒暖差と相まって体調の管理がなかなか大変です。一方で桜の開花予想などが天気予報で取り上げられるようになり、最近までは「春は名のみ」だった季節は「春のうらら」へと着実に移ろっています。皆さまと一緒に陽光穏やかな芽吹きの季節を待ちわびながら、次回のコンサートを迎えたいと思います。
さて、第234回のコンサートは、三味線の月岡祐紀子さんをお招きし、瞽女(ごぜ)うたを中心とした弾き語りをご堪能いただきます。瞽女(ごぜ)とは三味線を手に村々を巡り、芸の披露で生計を立てていた目の不自由な女性たちのことで、彼女たちの「生」への切実な思いと、娯楽を求める庶民の思いが一致し帰結した姿だったようです。彼女たちは自分たちの生きるすべを死守するため、あえて封建的な規律下に身を置き、特に男性との交流は厳しく制限されていたと聞きます。そのためか、瞽女うたには激しく情熱的な恋の詞や、思いどおりにならない現実の切なさを綴ったものなどが見られます。当日は瞽女さんのお話などをたっぷり伺いながら、独特の節回しを持つ哀愁の調べを心ゆくまで聴かせていただきましょう。どうぞお楽しみに。
日 時平成29年3月15日(水) |
会 場千代田御茶ノ水ビル |
出演者 :
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お問い合わせ先千代田チャリティ・コンサート事務局 |
出演者プロフィール
月岡祐紀子 |ごぜうた・民謡・三味線弾き語り
1976年5月17日東京都目黒区生まれ。
千代田女学園中学・高校、武蔵野女子大学文学部日本文学科卒業。
第44期NHK邦楽技能者育成会修了。NHK東京放送児童劇団に10年間在籍。
幼い頃より父、月岡翁笙から民謡を学ぶ。三味線を本條秀太郎に師事。和楽器のオーケストラグループ「むつのを」メンバー。6歳で初舞台を踏み、現在は民謡の演奏会、瞽女唄のソロコンサート、他の若手奏者とのライブなど幅広く活動。