次回 第146回千代田チャリティ・コンサートのお知らせ

初冬に咲く秋桜のように

琵琶の音が奏でる世界へようこそ





 日ましに秋も深まりゆく今日このごろ 皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。


 さて、今回は女性中国琵琶奏者の魏瑋(ウェイウェイ)さんをお迎えしてお贈りいたします。
琵琶(びわ、ビバ、ピーパー)は、東アジアの有棹(リュート属)弦楽器の一つです。弓を使わず、もっぱら弦をはじいて音を出す撥弦楽器です。


 琵琶の起源は、実物は現存しないがササン朝ペルシア遺跡から出土する工芸品の浮彫り装飾などに、琵琶様の楽器がしばしば見られます。糸倉が後ろに曲がり、多くは撥をもって弾奏されており、この「バルバット」と呼ばれる楽器が四弦系琵琶やウード、リュートの祖先とされています。


 これが中国に伝播したのは前漢の頃で、当初は「西方の琴(弦楽器)」を意味する「胡琴」の名称で呼ばれた(宋代以降現在までに胡琴と呼称される楽器とはまったく別のもの)。やがて、ウイグル語のバルバットが漢語に音訳された「琵琶」が呼称として定着しました。現存する世界最古の四弦琵琶は、今のところ正倉院に保存されている数面の琵琶であると思われます。いずれも奈良時代のもので、楽譜も正倉院および敦煌から発見されています。


 今宵は、琵琶の音色を充分堪能していただきます。どうぞお楽しみにしてください。


日 時

平成20年11月19日(水)
17:30開場
18:00開演

会 場

千代田御茶ノ水ビル
1階エントランスホール
東京都文京区湯島1-7-12

出演者

魏瑋(Wei Wei・ウェイウェイ)さん


共演 : 
銭騰浩チェンタンハオ)さん
屋敷真公子やしき・まきこ)さん

お問い合わせ先

千代田チャリティ・コンサート事務局

Tel:03-3816-5241 Fax:03-5803-4870
LinkIconメールでのお問い合わせ

お申し込み方法


郵送にて同封しました申し込み用の“往復はがき”に参加・不参加を明記の上、平成20年11月10日(月)までに到着するように投函して下さい。 先着80名様に限らせていただきますのでご了承ください。その結果につきましては、事務局より“はがき”でお知らせいたします。


出演者プロフィール

魏瑋(ウェイウェイ)さん

中国・上海市出身。
5歳からギターを始め、6歳より琵琶を学ぶ。7歳の時には「上海共舞台」で演奏、天才少女と呼ばれる。幼少時から「上海少年宮」に所属、外国から要人が訪中すると彼等の接待役として演奏し、高い評価を得る。


12歳、上海音楽大学院附属中学校に入学。早くから卓抜なテクニックと豊かな表現力が注目を集め、15歳の時には日本の読売新聞(「琵琶を弾く少女」)にもとりあげられるほどだった。上海音楽大学院在学中には広東や上海などの音楽コンクールで最優秀賞を受賞。


1988年、大学院を卒業。「国立上海民族音楽団」に入団、おもにテレビや映画音楽を担当した。1990年に来日後は、文化庁主催の「天平楽府」楽団のメンバーとして、ニューヨーク、ワシントンDC、ロサンゼルスなどで、世界で唯一現存する四弦琵琶をはじめて演奏、アメリカのテレビでも放映された。


また、テレビ「新・題名のない音楽会」(テレビ朝日)でソリストとして新星交響楽団と共演、絶賛を浴びた。他にも、野田秀樹作・演出の「キル」(1997)、團伊玖麿作曲「万里の長城」で札幌交響楽団と共演(99)、野村万之丞演出「伎楽」(2001)などで演奏、幅広い活動を続けてきた。
現在はテレビやコンサート、日中友好30周年の折には小泉首相の招待をうけて演奏するなど、全国のイベントで好評を博している。


また、琵琶の更なる可能性を追求しようと、尺八などの邦楽、国際的にも評価の高いジャズやフラメンコのプレイヤーとも積極的に共演、中国琵琶の第一人者として世界的に活躍している。

銭騰浩(チェンタンハオ)さん

1961年中国・上海市生まれ。
5歳より上海民族楽団笙演奏家張奏者張新民氏の弟子となる。
1972年から少年文化宮にて6年間笙等の中国民族楽器を学ぶ。
1985年上海戯曲学校昆劇音楽科を優秀な成績で卒業後、同校音楽科の学科主任教授を務めながら中国各地で演奏活動を行う。

1989年7月来日後、重要無形文化財である一噌流笛方一噌幸政氏(92年紫綬褒章受賞、93年モービル音楽賞受賞)に師事し、能管を学ぶ。
2003年に東京芸術大学音楽学部(能楽囃子専攻)終了。
中国民族音楽演奏活動の他、京劇の舞台でも笛・打楽器・哨な(チャルメラ)等を担当する。中国民族音楽演奏のみならず、京劇等の中国伝統演劇音楽にも精通している。

屋敷真公子(やしき まきこ)さん

北海道函館市出身。
6歳よりピアノを始める。桐朋学園大学短期大学研究科ピアノ専攻を卒業後、音羽ゆりかご会に所属。

合唱団の伴奏講師を経て、後進の指導に当たり、声楽・ヴァイオリン・フルート等、数々のコンサートでの伴奏を行い、中国琵琶奏者ウェイウェイとのデュオを中心に中国楽器と共演するなど多数の演奏活動を行っている。
 また、シニア世代に対する音楽療法等の分野においても意欲的に活動を続けている。