翳りを秘めた音色の魔力に引き込まれる

　
　
　
　拝啓　華やかなイルミネーションでクリスマス一色だった日本列島も、あっという間にお正月モードに切り替わり、いよいよ年の瀬、そして新年を迎えます。皆さまには今年も千代田チャリティ・コンサートにお運びいただき、本当にありがとうございました。

　来年の話をすると鬼が笑うそうですが、再来年の話をさせていただきますと、２０１８年９月で当コンサートは記念の２５０回目を迎えます。先代から私が当コンサートを引き継いだのは第４６回（１９９７年６月）でした。当時生まれた子供は来年成人式を迎えます。これからも頑張って社業を盛り立て、皆さまに素晴らしい演奏会をお届けし続けたいと思います。

　さて、第２３２回のコンサートは、フラメンコギタリストの日野道生さんをお招きし、名曲の数々を演奏していただきます。これまでのギター演奏のプログラムでは、マイクで音を拾いアンプで音量を増幅することが多かったのですが、今回の演奏会ではそうした電気的なものは使わず、「生」の音をじっくり聴かせてくださいます。

　日野さんはフラメンコギターの教則本を出されるなど、この世界では第一人者でいらっしゃいます。楽曲は明るい調べや憂いを秘めたものなど様々ですが、フラメンコギターが持つ温もりの中に翳りを秘めた音色、優しさと激しさといった演奏のコントラストなど、聴いている人をいつの間にか音楽の世界に引き込んでしまう魅力あふれる演奏は必聴です。どうぞお楽しみに。