次回 第155回千代田チャリティ・コンサートのお知らせ
響きのある風景
素直な心情とシニカルな感情
暦の上では立秋を過ぎたとはいえ、まだまだ暑い日が続くこのごろです。皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、第155回はカンツォーネとシャンソンをお聴きいただきます。カンツォーネは、イタリア語では単に歌を指す単語ですが、日本国内においては主に19世紀末から20世紀初頭に書かれたイタリアの大衆歌曲、特にナポリのもの(カンツォーネ・ナポレターナ)を指すことが多いようです。これらはイタリア民謡とよばれることもありますが、古くより伝承された作者不詳の歌ではなく、近代において専門的な作曲家によって作曲された流行歌であるため、「民謡」と呼ぶのは適切ではないとする意見もあります。
一方、シャンソンは、本来フランス語で歌の意味を表します。従って、カンツォーネと元々の語源は同じということになります。少なくとも現代のフランス語圏においては、シャンソンは歌全般を意味し、特定ジャンルの楽曲を指すものではありません。他言語圏ではフランス語で歌われる曲という意味で使われることが多く、この場合も何らかの音楽的特徴を持つものではありません。
そのため中世の「武勲詩」や「きらきら星」、「ラ・マルセイエーズ」なども広義のシャンソンです。歌謡曲としてシャンソンは「モダンシャンソン」、「パリジャン・シャンソン」などと呼ばれるほかシャンソン・ド・ボア(動きのないシャンソン)、シャンソン・ド・シャルム(魅惑的なシャンソン)、シャソン・ド・レアリスト(リアリスティックなシャンソン)、シャソン・ド・サンチマンタル(センチメンタルなシャンソン)、シャソン・ド・ファンタジスト(動きのあるシャンソン)といった風に、「シャンソン」という語に何らかの形容詞を付け分類しています。
今宵は、カンツォーネとシャンソンの魅力を存分に味わっていただきたいと思います。どうぞ、ご期待ください。
日 時平成21年9月16日(水) |
会 場千代田御茶ノ水ビル |
出演者
|
お問い合わせ先千代田チャリティ・コンサート事務局 |
出演者プロフィール
渡邊一真さん(声楽家)/ Kazzma(アーティスト名)
大阪府大阪市生まれ
相愛大学音楽学部声楽学科声楽専攻科卒
幼少より教師である母のもとクラッシクとタンゴ音楽に触れ、西洋音楽と南米音楽をルーツに持つ。5歳よりピアノ、10歳よりフルートを習い、14歳よりギターを片手に創作しバンド活動を始める。17歳より声楽を寺尾正・藤井ちふみ、両氏に師事。
音楽大学入学後、山田健司氏、W・マッティウッティに師事。在学中はクラッシク音楽のほか、カンツォーネ・シャンソン・ジャズ、民族音楽等、様々なジャングルの音楽に感化されその歌唱法・音声生理学を学ぶ。卒業後、上京し声楽を前田保幸氏に師事しベルカント唱法を学ぶ。
クラッシク分野においては、主にイタリア歌曲・ナポリ民謡やカンツォーネをレパートリーに持つ。
ロック・ポップス分野においては、主にブリティッシュ音楽の影響が強く、シンガーソングライターとして、2004年にCD「Loudly Edge」を発表。(タワーレコーズ週間インディーズチャートイン)
ラテン音楽においては、主にタンゴ、フォルクローレといったアルゼンチン音楽をレパートリーに持つ。2006年には南米ブエノスアイレスへ渡り、マエストロ・J.Dragone氏と共演。マエストロ・O.Bellinghieri氏とのレコーディング等に、活動の幅を広げ帰国。
現在、ベルカント唱法を追求しながら、タンゴライブ、クラッシクコンサート等演奏活動をしている。また、東京・横浜にてボイストレーニングの講師を務めている。
福島久雄さん(ギタリスト)
中学生の時からギターを手にして、フォーク・ソング、ラグタイム、ブルーグラス等を演奏するようになる。
大学時代にジャズを始めライヴ活動をするようになる。1988年、東京ホットクラブバンドに参加。フランス・ツアーでジャズ・ラインハルト・フェスティバルに参加する。
今までに、自己のアルバムOriental dreams.、Coloration、.Minor swin、Ponnichi 、ShuugをCAPIVARAより発表し、多くのミュージシャンと共演。
1999年、サラエボで開かれた“Jazz fest Sarajevo‘99”に出演。
2001年、オスロで開かれた“Django Reinhardt festival”に出演。
2007年、Gypsy Jazz Festival New Caledoniaに出演。Gypsy swing projectでアルバム「De quel pays etes vous?」(Capivara)、自己のカルテットでアルバム「European dark sky」(Ohrai Records)を発表。
ノスタルジックなジプシー・スイング・ジャズからモダン・ジャズ、フリー、アーヴァンギャルド、民族音楽、等の境界を超えたインプロヴァイズド・ミュージックを目指す。
渡辺愛さん(ピアノ)
作曲家・ピアニスト・アクースマティック演奏家。
3歳よりピアノを、12歳より作曲を始める。
東京音楽大学大学院作曲専攻修了。現在パリ国立地方音楽院在籍、空間電子音響音楽(アクースマティック)とエクリチュールを学ぶ。
ピアニストとして、かながわ音楽コンクール入選、東京大学合唱団コール・ユリゼン伴奏者、オペラ“こうもり”コレペティ、大磯混声合唱団伴奏者を務めるなどの活躍。
作曲者として、第一回学長賞受賞、CCMC入選、東京国際室内楽作曲コンクールにノミネートされる他、ダンス作品・映画音楽も手掛ける。
2004年、MOTUS夏期アトリエ参加。
2005・2006年UTURA参加。
2006年奨学金を得てフランスAcanthes参加。
即興パフォーマンス『秋福音』メンバー。